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インドで「2代目おがさわら丸」に乗った話。Angriya Cruise ゴア→ムンバイ乗船記(前編)

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インドゆるゆる生活

タイトル画像(インドで「2代目おがさわら丸」に出会う。Angriya Cruise ゴア→ムンバイ乗船記(前編))

ナマステ、インドのムンバイ在住(現在一時帰国中)のKome(@chankomeppy)です。

2019年4月にゴアへ旅行した際、ゴアからムンバイまで船で移動したところ、なんとおがさわら丸でした~!

いつか記事にしようと思ってずっと放置していたのですが、時間ができたのでまとめます。

前編(この記事)ではゴアの簡単な紹介とゴアームンバイ間の移動方法、乗船の経緯、チケット予約について、後編で船内の様子について詳しくまとめます。

▼目次はこちら (クリックして表示)

はじめに:ムンバイとゴアについて

はじめに、インドについてあまりご存じない方のために、クルーズ客船の出発地・目的地であるムンバイとゴアについて簡単にご説明。

ムンバイはインドの経済の中心地で、インド中央銀行や金融商品等の取引所がある大都市。多くの大企業が本社を構え、映画産業(ボリウッド映画)の中心地でもある。

富裕層や大企業努めの人も多く、余暇に旅行する余裕がある人も多い(それ以上に最低限のぎりぎりの生活、またはそれ以下の生活を強いられている人も多いのだが…)

ゴアは旧ポルトガル植民地で、かつては「ヒッピーの聖地」とも言われた場所。インド有数の観光地であり、インド国内からはもちろん、海外からも多くの旅行者が訪れる。

インド有数の観光地ゴア

なぜゴアが観光地として人気なのかというと、旅行者にとって魅力的な要素が満載だからだ。

第一に、ゴア州では酒税がかからないため、お酒が激安で、酒飲みにとってはパラダイスである。パリピの若者たち、卒業旅行の学生たち、呑兵衛のオッサンたち、等々… 酒を浴びたい大人たちがゴアに集まる。

ゴアのお酒
(左)飲み屋さんのメニュー表。特にビールが安い。
(中)海を見ながらお酒を楽しめる。
(右)現在は生産停止しているゴアの地ビール「KINGS」

誰が言い出したのかは不明だが、スペインのイビザ島、タイのパンガン島と並んで「世界三大レイブ・パリピ聖地」にも数えられており、パリピが多く集うゴア北部のビーチ沿いのクラブは明け方まで大賑わい。

特に、年末に開催されるSunburn Festivalにはインド中からパリピが集結し、最大の盛り上がりを見せる。(Sunburn Festivalは2007年から開催されているインドのトランス・EDMのフェスで、世界的に超有名なDJを毎回招いている)

▼Sunburn Festival 2019 (Martin Garrix)

第二に、インドでは宗教的に食事に制約がある人が多いが、ゴアにはキリスト教徒が多く、お肉料理のバリエーションが豊富だ。牛肉、豚肉、鶏肉、山羊肉(マトン)、なんでもある。

また、海に面しているためシーフードも新鮮でおいしい。ゴアの郷土料理はポルトガル料理とインド料理が融合した印洋折衷のスタイルなので、外国人にとっても受け入れやすいものが多い。

ゴアのシーフードとビーフ
(左)新鮮なシーフードを堪能できる。
(右)ビーフステーキもあるよ(※インドでは宗教的な観点から牛肉を食べない地域が多い)

第三に、インドには海水浴場と呼べるような場所が非常に少ないが、ゴアのビーチは日本人がイメージする海水浴場に近い。

マリンスポーツを楽しんだり、砂浜やビーチ沿いの海の家的なレストランでのんびりしたりすることができて、ライフガードのお兄さんたちもいるので安心だ。海の水質は綺麗とは言い難いが、汚いわけでもない。(個人的には湘南の海と同じくらいの水質)

ゴア南部のビーチ
ゴア南部のビーチはのんびりとした雰囲気で外国人や家族連れが多い。

第四に、ゴアにはポルトガル植民地時代の建物も数多く残っており、オールドゴアの教会群は世界遺産に登録されている。

植民地時代に建てられた洋風の建物(ポルトガルマンション)が連なるその町並みは異国感たっぷりで、ホテルやレストランに改装されているところも多いので歴史を感じながらゴアに滞在することができる。

ゴアに残るポルトガル植民地時代の建築
(左)世界遺産のボン・ジェズ教会
(右)コロニアルな街並み

最後に、ゴアは古くから世界中の旅行者を受け入れてきたので、宿のタイプは安宿から高級宿まで、ドミトリー、ホテル、ヴィラ、別荘等々… 選択肢が豊富で、自分のレベルに合わせた滞在ができる。

ゴアを一言で表すならば、まさに「インドの楽園」🥰🍻😇💓🐟🍖✨

ゴアとムンバイは距離が近いので移動手段にいくつかの選択肢があり、飛行機だけではなく、鉄道やバス、自家用車で訪れることもできる。

そのため、ムンバイ在住者にとっては「」がつくほど定番の国内旅行先だ。

ムンバイ-ゴア間の色々な移動方法

ムンバイとゴアの位置関係

ムンバイ-ゴア間の距離は約580km、東京-神戸間の距離と同じくらい。

空路:飛行機

飛行機の場合、片道1時間弱で、航空券は片道2000ルピー代(≒3500円)から。直前になると運賃は片道1万ルピー(≒1万5000円)近くまで高騰する。

利用者層は主に富裕層~アッパーミドル。

Jet Airways(ジェットエアウェイズ)の機体
今はなきJet Airways(経営破綻した)。FSCからLCCまで、多くのキャリアがムンバイ-ゴア間を朝から真夜中まで運航している。便数はかなり多い。

陸路:鉄道

鉄道の場合、最上位クラスの特急列車Tejas Expressを利用すると、所要時間は約8時間、片道運賃はエグゼクティブクラスが約2500ルピー(≒4000円)、一般クラスが約1300ルピー(≒2000円)

利用者層はアッパーミドルのファミリー(子連れ)が多い。

Tejas Expressのエグゼクティブクラス車両
Tejas Expressのエグゼクティブクラス車両。写真の中の乗客はたまたまオジサン1名だけだが、本当はもっとファミリー(子連れ)が多いのよ…!!

Tejas Express以外にも多くの列車がムンバイ-ゴア間を走っている。寝台列車が人気で、所要時間は10~12時間程度。運賃は2等寝台が約1300ルピー(≒2000円)、3等寝台が1000ルピー弱(≒1500円)。ハイシーズンだと予約開始直後にすぐに満席となり、キャンセル待ちとなる。

利用者層は若者やミドル層が中心。

ムンバイ-ゴア間の夜行列車:title
ムンバイ発ゴア行き夜行列車3等寝台(Mao Ganpati Express)。寝台列車はそこまで大きな遅延がないのも人気のポイント。

陸路:バス

個人的にはあまりオススメできないが。寝台バスという手段もある。

道路状況が悪いことに加えて途中に山道があるため、所要時間は13~15時間、場合によってはもっとかかることもあり到着時間は全然当てにならない。道路の凸凹の衝撃をモロに受けるために揺れも激しく、タイヤの真上席の場合、お尻と腰へのダメージもある。

運賃は1000ルピー弱(≒1500円)で、夜行列車の3等寝台とほとんど変わらない。同じ金額を支払うなら寝台列車の方がいいに決まっているので、寝台バスはあまり人気がなく、直前でも予約可能だ。寝台列車の予約が取れず、やむなく利用したことが一度だけあるが、私はもう二度と使いたくない。

利用者層はミドル層~ロウアーミドルが多い。エアコンがついていないバスの場合は、運賃はもっと安く、利用者層ももっと低くなる。

ムンバイ-ゴア間の夜行バス
寝台バスはフラットシートで寝転がることができるが振動がお尻や腰を直撃する。タイヤの真上の席だとかなり辛い。また、バスによってシートの清潔さに当たりはずれがあり、臭かったり埃っぽかったりすることもある。

海路:クルーズ客船

前置きが長くなったが、ここからがようやく本題。

2018年秋、「インドで初めての国内クルーズ客船」として、Angriya Cruise(アングリヤクルーズ)がムンバイ-ゴア間でクルーズ客船の運航を開始した。

午後にムンバイ又はゴアを出航して翌日の午前に目的地(ゴア又はムンバイ)に到着するというスケジュール(所要時間14時間)で、ルートはムンバイ⇔ゴアのみ。

クルーズ客船というと、長期間(最低でも数日間)の船旅で、最終目的地に到着するまでにいくつかの港に立ち寄るようなイメージがある。そのため、これはフェリーではないのか?と個人的には感じたのだが、きっと何かしらのエンターテイメント設備が備わっていて、単なる移動手段ではないのだろう。運航会社がクルーズ客船と言っているのだから、フェリーではなくクルーズ客船なのだ。

それに、私にとっては、クルーズ客船であろうとフェリーであろうと、別にどちらでも構わない。

私にとってのポイントは、ムンバイーゴア間の移動手段に、海路という新たなオプションが加わったことだ。

私は謎のオタク精神により「ムンバイ-ゴア間の移動を陸・空・海、全て制覇したい」という思いに駆られ、次にゴアへ旅行するときは必ずこの船に乗ろうと決めた。

そして2019年4月、ゴアへ旅行する際、ゴア→ムンバイの移動にクルーズ客船を利用することに。

ようやくその機会がやってきたよ~ ウェイウェイ!

クルーズ客船の予約

予約は、Angriya Cruiseの公式サイトから直接行った。

客室タイプ

客室タイプはいろいろある。

カップルルーム(2人用)、ファミリールーム(4人用)、バディールーム(2人用)、ラグジュアリーポッド(1人用又は2人用)、ドミトリー(1人用)。

Angriya Cruiseの客室タイプ
出典:Angriya Cruise公式サイトより

個室で最もリーズナブルなのはバディールームで一室1万5400ルピー、当時のレートで約2万5000円。

これは私の予算をかなりオーバーする。2万5000円もあればムンバイから海外に行けてしまう。中東やスリランカといった近隣の国々への往復航空券が買えてしまうくらいに高いので迷う暇もなく却下。

一人旅の私にぴったりな客室タイプは「ラグジュアリーポッド」だ。

写真を見るとカプセルホテルのような感じ。予約時はこの船がかつて「おがさわら丸」であったなんて想像もしなかったため、インドのクルーズ客船に日本風の客室(カプセルホテル風のベッド+和室感漂う扉)があるだなんて不思議だなぁと感じたのを覚えている。

Angriya Cruiseの客室タイプ(Luxury pods)

説明文にはこう書いてある。

Angriyaはインドで初めて高級志向のポッドを導入しました。お客様に最大のプライバシーを与えることを目指し、最高の体験を提供いたします。このタイプの客室は数に限りがあります。一人旅やカップルでのご利用に最適です。
ベッドサイズ:シングル、またはキング
利用人数:1人、または2人
運賃:おひとり様6650ルピー(≒1万円ちょい)

予約を進めようとすると、支払い金額が1万3300ルピー(約2万2000円)と表示された。

どうやらシングルベッドのラグジュアリーポッドが満室で、2人用のキングサイズのベッドしか空いていないらしい。キングサイズのベッドを使用するためには利用者が1人だとしても2名分の料金が必要で1万3300ルピーかかってしまうとのこと。

インド人にとってはこのカプセルホテル風のベッドは新しいタイプの最先端でラグジュアリーなベッドに見えるのかもしれないが、日本人の私にとってはカプセルホテルのベッドにしか見えず、2万円も支払う価値を見出すことができない。

・・・となると、残された選択肢はこれだけ。

Angriya Cruiseの客室タイプ(Bunk beds)

このベッドは、現在は団体予約しかできないようなのだが、2019年4月の時点では「ドミトリー」扱いで2段ベッドの1つだけを予約することができた。

ドミトリーの2段ベッドだなんて、やっぱりどう考えてもフェリー、しかもただよう2等寝台感、、、

・・・と、改めて思うも、思い出せ私。目的は船を楽しむことではなく「陸・空・海」を制覇することなのだ。クルーズ客船でもフェリーでもどちらでもいいのだ。

というわけで、6300ルピー、約1万円で予約完了。運賃もフェリーの2等寝台の料金みたいだ。

予約後すぐに、予約確定メールとEチケットが届いた。

Angriya CruiseのEチケット

運賃の内訳をみると、ベッド代が4300ルピー、船内での食事代が2000ルピー、合計で6300ルピーとなっている。

食事は夕食と朝食の2食付き。どんな食事がでるのかな、ゴアの食材を生かした食事が提供されることを期待。

ゴア旅行

そんなこんなで、ゴア旅行。ゴア南部のパロレムビーチ(Palolem Beach)で数日間の滞在を楽しむ。

ビーチハッツ(ゴア南部のビーチに多くある浜辺のコテージ)に泊まって、
ゴアのビーチハッツ(Goan Beach Huts)

海辺でゴロゴロしたり
ゴアのパロレムビーチ

ヨガしたり、
ゴアのパロレムビーチにあるヨガスタジオ

アーユルヴェーダスタイルのマッサージ受けたり、
ゴアのパロレムビーチにあるアーユルヴェーダのマッサージ店

カフェでまったりしたり、
ゴアのパロレムビーチにあるカフェ

うろうろ散歩したり、
ゴアのパロレムビーチ周辺の土産屋

インド飯食べたり、
ゴアパロレムビーチ滞在時に食べたインド料理

ゴアはいつ来ても楽しいね。

クルーズ客船乗り場へ!

そして、いよいよムンバイに帰る日。

いつもは、旅行から(特にゴアのようにダラダラできるところから)ムンバイに帰るのは現実に引き戻されるのが辛くて、少し憂鬱な気持ちになるのだが、この時だけは違った。

ついに船に乗るよ~~~!

船で、海からムンバイに帰るよ~~~!

インド旅行では、ケララでハウスボートに乗って以来の船、そして初めての海路だ。

クルーズ船乗り場までは路線バスとリキシャ―で😂
ゴアのパロレムビーチからマルガオンまでの路線バス

そして出航ターミナルに到着!
Angriya Cruiseの乗り場

乗船手続きや船内の様子については次回!

後半につづきます。