ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
3月24日のモディ首相の会見で発表された通り、インド全土は3月25日から21日間ロックダウン(封鎖)している。
もっと詳しく!
【コロナウイルス】21日間インド全土封鎖!(モディ首相3月24日スピーチ)
この突然のロックダウンにより日雇い労働者たちは職を失った。
ニュースやSNSでその様子を見ていて心が痛くなっていた時、GiveIndiaというオンライン寄付プラットフォームから「失業した日雇い労働者とその家族を助けませんか?」とメッセージが届いた。
詳細を見てみると、寄付金は全額(手数料なし)、ロックダウンで失業した日雇い労働者(NGOパートナーがVerification済)に現金で渡される(家賃、食費など使い道様々)とのこと。
私も役に立てれば!と思い寄付してみたので、今回はロックダウンで失業した日雇い労働者と、GiveIndiaの寄付についてのお話。
▼目次はこちら (クリックして表示)
日雇い労働者の失業問題
突然のロックダウンにより、日雇い労働者たちは収入源を失った。家賃を支払えず、食糧を買うこともできない。この状況が続けば餓死する。
地方の農村部から出稼ぎに来ている労働者たちは、安全な寝床と食料を求めて故郷に帰ろうとするも、公共交通機関は動いておらず、歩いて帰るしかない。
こんな状況が発生し、州政府が急きょ地方への臨時バスを手配したものの、何千人もの出稼ぎ労働者とその家族が押し寄せ、大混雑となった。
▼ こんな感じ(出典:JB Press)
3月29日のツイッターでは「#ModiMadeDisaster」、❝モディ首相が災害を引き起こした❞ というハッシュタグがトレンド入りし、モディ首相はラジオで謝罪した。
首相は全国に向けたラジオ演説で、「まず、すべての地方住民に赦しを請いたい。貧しい国民はきっと、自分たちをこのような困難に追い込むとはどういう首相なのか、と思っていることだろう」と述べながらも、ほかに選択肢がなかったとして理解を求めた。
ロイター
インド首相が貧困層に謝罪、「コロナ封鎖」策で深刻な被害
こうした状況を受け、インドの厚生省は通達で以下の通り発表した。(原文)。
- 各州政府は、一時的な避難所を適切に確保して、出稼ぎ労働者を含む貧困層の人々へ食料などを提供を確保すること。
- 故郷に戻った出稼ぎ労働者は、到着後にスクリーニングを受け、各州政府の避難所で最低14日間隔離される。
- すべての雇用主は、どんな業種であっても、ロックダウンの期間中、労働者の賃金を職場で、納期までに、控除なしで支払うこと。
- 労働者(出稼ぎ労働者を含む)が賃貸住宅に住んでいる場合は、大家は1か月間家賃の支払いを要求してはならない。(家賃1か月無料)
- 大家が労働者と学生を強制的に退去させる場合、法的責任を負う。
中間層以上の人達は「外出禁止」を守れる金銭的余裕があるが、貧困層へのダメージは計り知れず。
日雇い労働者の収入はゼロとなり、家族を養うことができない。路上生活者は誰も外出しないので物乞いができず食べ物にありつけない。
普段は物を乞われても無視してしまう私であるが、ロックダウン以降は無視することができない。先日食料の買い出しに出かけた際も、小さな少年たちが路上でポケットティッシュを売っている姿を見て、胸がきゅーんとなってしまった。
そんな時に寄付しませんか?と通知がきたら寄付しちゃうよー!!(←単純)
GiveIndiaとは?
GiveIndiaとは、オンライン寄付できるプラットフォーム。GiveIndiaが審査して選定した200以上のNPO団体によるプログラムに寄付することで、貧しい人々や障害を持った人々、病気に苦しむ人々などを支援できる。
GiveIndiaウェブサイトはコチラ
▼ プログラムの一例(出典:GiveIndiaウェブサイト)
プロジェクトによって寄付の金額は異なり、毎月200ルピー未満のものから毎月5000ルピー以上のものまで様々。
毎月の定額がクレジットカードやインドの銀行口座から自動的に支払われるので払い忘れの心配ご無用。毎月の寄付はいつでも中止することもできる。
「寄付金でこういう活動しましたよ~」とアップデートを受け取ることができ、社会に貢献している実感が沸く。
私は、「ムンバイで癌と戦う子供たちに栄養のある食べ物を提供しよう」というプログラムに寄付中。自分の住んでいる町の子供たちを間接的に援助できて嬉しい♪
GiveIndiaとは、このように簡単に寄付ができて、その成果を見届けることができるプラットフォームなのだ。
というわけで、ロックダウンで失業した日雇い労働者に寄付してみる
前置きが長くなってしまったが、いざ寄付!その前に詳細を確認。
- GiveIndiaの信頼するNPOパートナーが、寄付を受けるべき人達をしっかり認定。
- 家賃や光熱費などの支払い、基本的な食事を摂るための食費、コロナによる突然の収入減少を乗り切るためのその他費用に充てるため、現金を支給。
- 寄付金7000ルピー(約1万円)で大都市の家族1世帯、5000ルピー(約7000円)で地方都市の家族1世帯を支援できる。
- 対象地域は、タミル・ナードゥ州、カルナータカ州、デリー、HP州、パンジャブ州、マハラーシュトラ州、UP州、MP州、西ベンガル州、ハリヤナ州、ケララ州、アッサム州、ビハール州、チャッティスガル州、寄付金によって影響を受ける受益者は6万人。
- 現在は受益者の選定作業中(IDの確認等)で、1~2週間後には寄付金の支給が始まる見込み。
ほほーう
リアルタイムで寄付金額、寄付人数が表示。2.5クロールも集まってるよ!(寄付直前)
2460万ルピー÷5989人=1人あたり平均4100ルピー(6000円弱)寄付している計算だ。
直近の寄付者と金額も確認することができる。
完全に個人的な感覚だが、為替レート上は1000ルピー=1500円弱だ。しかし、インドの物価を考慮すると1000ルピーは日本人にとっての1万円くらいの価値があると思う。それを踏まえてこの寄付金を見ると、みんな太っ腹!寄付者はゆとりのある人々ばかりなんだろうな。また、イギリスやアメリカからの寄付も目立つ。NRI(海外に住むインド人)だろうかね?
ではポチっと!
平均金額よりも少なくてごめんなさ~い💦 他の寄付プログラムと異なり、毎月一定額の寄付ではなく、ワンタイムでの寄付。
寄付金額は、申告すれば課税所得から控除されるので、インド、アメリカ、イギリス、どの国で恩恵を受けたいか選ぶ。
通常の寄付金の支払いはクレジットカード、デビットカード、ネットバンキングからしか選択できないのだが、モバイルマネーやUPI、Pay Later Appを使用して支払うことも可能。
私はUPI ⇒ Google Payを選択。
支払い完了~
私が寄付した直後(4月1日夜中1時IST)
↓
記事執筆時点(4月2日朝7時半IST)】
なんとか100%まで到達してほしいね!
所得控除にもなるよ
寄付金の支払いのところでサラっと記載したが、寄付金額は所得控除となる。
特定の基金や慈善団体への寄付は、所得税法第80G条に基づく控除として請求可能で、100%または50%が控除される。
100%控除は政府系の基金のみで、民間NPOは要件を満たせば50%控除。GiveIndiaのNPOパートナーは要件を満たしているので、GiveIndiaを通じて寄付すれば寄付金額の50%が課税所得から引かれることに。
私の場合だと、
- 所得控除:寄付金額2000ルピー × 控除率50% = 1000ルピー
- 所得税率:30%(大雑把)
- 節税額 :1000ルピー × 30% = 300ルピー
おお~~~👏 これは大きいね👏✨
会社が税金払ってくれる方にはあまり関係ない話ですがw
さいごに
日本で「コロナで失業した日雇い労働者のために寄付を!」と言ってもここまで集まらないのでは・・・。
豊かな者・余裕のある者が、経済的弱者を助ける仕組みが社会に根付いているよなぁ、と改めて感じたのでした。