
ナマステ、インド在住(現在一時帰国中)のKome(@chankomeppy)です。
私はいま、インドのヨガスクールでTTC(ヨガインストラクター養成講座)を受講している。
【RYT200取得への道①】インドのヨガスクールのTTC200をオンラインで受講(Day1~10)
先生にもよるのだが、コンディショニングの後、授業に入る前に以下の文章を唱える。
हमे अपने मन को हमेशा संतुलित रखना है
Hame apne man ko hamesha santulit rakhana hai
ハメ アプネー マン コ ハメーシャー サントゥリト ラクナー ヘエ
इसी मे हमारा आत्म विकास समाया है...
Isi me hi hamara atma vikas samaaya hai
イスィ メ ヒー ハマーラー アートマ ヴィーカス サマーヤーヘエ
Our self development is possible, only if we maintain a balanced state of mind, all the time, all the time...
英語でも唱えてくれるので文章の意味はわかるのだが、そもそも私は何を唱えているのか、唱える目的は何なのか、よくわからないまま、深く追求しないまま唱え続けていた。
ようやくその呪文らしき文章の正体がわかったので、備忘録としてまとめておきます。
▼目次はこちら
呪文の正体はサンカルパ
当初、その呪文らしき文章は「マントラ」だと思っていた。
マントラとは、心を意味する「マナス」と、守るという意味の「トラヴァティー」を語源とし、その語源の意味の通り、心を守る=心のエネルギーを蓄えるために唱えられる祈りの言葉だ。マントラを唱える際に生まれるバイブレーションがエネルギーの通り道であるチャクラを刺激し、体内にエネルギーをみなぎらせることができる。
ヨガクラスの始まりと終わりによく「オーム」と唱えたり、「シャンティー」と唱えたりするが、それもマントラなので、「ハメ アプネー~…」もマントラだろうと思い込んでいた。私の中では通称、❝ハメアプネマントラ❞ だったわけだ。
ヨガの授業中、ひょんなことから ❝ハメアプネマントラ❞ について聞く機会があった。有名なマントラには「○○マントラ」という呼称があるので「ハメアプネ~のマントラは何マントラというんですか?」と尋ねた。さすがに ❝ハメアプネマントラ❞ と呼ぶのは格好が悪い。
「厳密には、マントラというより、サンカルパかな」
サンカルパって何じゃ?
サンカルパとは?
サンカルパ(Sankalpa / सङ्कल्प)とは、ヴェーダの思想で「自分自身への誓い」を意味する。
サンカルパの語源は、心で形成されたアイディアや概念を意味する「サン」と、進んでいく道を意味する「カルパ」。語源の意味を考慮すると、サンカルパはただの誓いではなく「自分自身の進むべき道を示す心からの誓い」なのだそうだ。なりたい自分になるための自分への約束・決意といったところか。
ヒンドゥー教でプージャの前に唱える(宣言する)誓いのマントラもサンカルパと呼ばれていて、これは「神よ、これから儀式を行いますぜよ」という神への誓いなのだそう。
日頃プージャをしている人達にとっては「サンカルパ」は身近なものなのかもしれないが、ガイコクジンの私にとってはイメージが沸きづらいわ😅
サンカルパを唱える意味
授業前に唱える「ハメアプネ~」から始まるサンカルパを日本語に訳すと「どんな時でも常にバランスの取れた心の状態を保つことができれば、自分を成長させることは可能である」という意味になる。
このサンカルパでは、なりたい自分、目指すべき自分の姿は「バランスの取れた心の状態」だ。
コンディショニング後(=気持ちを新しいタスクに向ける準備が整った後)にこのサンカルパを唱えることで、授業を通じて自分自身をより成長させようという意志を表明することになり、そのためには心のバランスを整えなくては!と意識が働くので、気持ちが整った状態で授業に取り組むことができ、学びのクオリティーが高まり、目指すべき姿により近づけるとのこと。
サンカルパを何度も何度も唱えることで、無意識に心のバランスが取れた状態を維持しよう(=なりたい自分になるために行動しよう)と思えるようになり、サンカルパの実現につながるという。
「ハメアプネ~」はすごい力を持つ言葉だったんですな。
自分のサンカルパを見つける
授業では学校側が用意した「ハメアプネ~」を唱えていたが、自分オリジナルのサンカルパを見つけようということになった。
ヨガの練習を通じて自分がなりたい姿を思い浮かべ、絶対こうなるんだ!と自分に誓うこと。「誓い」というと重たいものに感じられるかもしれないが、ゆるい言葉で表現すると自分に「約束」すること。
自分の内側をみつめ、どうすればヨガを通じてもっと幸せになれるかな?今の自分には何が足りないかな?と問いかける。
あらゆる願いの根底には「幸せになりたい」という漠然とした想いがあるが、この「幸せ」というのが少々厄介だ。人それぞれ幸せの基準は違うのに、他者と比べてしまうと、自分が劣っているように見えたり、自分は幸せではないかもしれないと「錯覚」を起こし、あれが欲しい、あの人のようになりたい、と自分以外の他者を基準とした願望を抱くことが多々ある。
このような他者を基準とした「自分がなりたい姿」というのは、サンカルパとして適切ではない。他者がそこに存在することで、自分の力だけでは実現できないし、そもそも他人と比べるのではなく自分と向き合い、「自分は絶対にこうなる!」と自分自身に誓いを立てることがサンカルパなのだ。
サンカルパは「ポジティブ」な言葉であるべきで、例えば「怒らない」「イライラしない」の場合は「心のやすらぎ」とかそういうのがいいらしい。脳はネガティブワードを受け付けないんだって。
他者の力ではなく自分の力で叶えるものなので、自分が頑張れば絶対に叶えられる...?よね…?
自分自身と向き合うのは少し恥ずかしいが、自分のなりたい姿を想像するのは楽しくもある。ここに書くのは恥ずかしいので書かないが、自分を見つめなおす良い機会になった。(表現が薄っぺらい)
「ハメアプネ~(いつでも心のバランスがとれた状態)」は私にとっては次元が高すぎるので、まずはもっと小さな、すぐにでも手の届きそうなサンカルパを設定した。自分自身の進むべき道=心のバランスがとれた状態に至るために自分がすべきこと。まずは小さなことからコツコツと達成していこう♪
これは私なりの解釈なのだが、サンカルパはもともと自分の心の中に眠っているもので、それを発掘することが、サンカルパの実現なのかなぁと。自分がもともと持つ能力?パワー?を引き出すためのおまじないのようなものかと思うと、何となく理解できるような気もした。
さいごに
自分と向き合うのがヨガだね~。勉強になりました。(雑)