ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
昨日RTしたツイートが、朝起きたらバズっていた。
▼こちらのツイート
すごーい!😲
— こめちゃん🇮🇳 मुंबई में चंकोमे (@chankomeppy) March 27, 2020
1990年から一度も見られていない絶滅危惧のマラバーシベット?が、ロックダウン中のカリカットの街に現れたそうです!🐅
ロックダウンで大気汚染も解消されたし、これを機に環境問題に真剣に向き合う人が多くなるといいね! https://t.co/YvhXgaAJUF
元ツイによると
Spotted Malabar civet... A critically endangered mammal not seen until 1990 resurfaces for the first time in calicut town.. seems mother earth is rebooting!
@DGrieshnak
❝ 斑点のあるマラバーシベット... 1990年まで見られなかった絶滅危惧種の哺乳類が、カリカットの町に再び現れました。母なる地球がリブートしているようだ! ❞
とのこと。
おおおおぉ!すげええぇぇぇ!
と思ってよく確認もせずにRTしたのだが
すいません~m(ᐡ_ᐡ)m💦
この子はマラバーシベットではなく、
「スモールインディアンシベット」という動物のようです。
誤情報をRTそれがバズってしまい恐縮極まりないのだが、「こんな動物いるんだ」「初めて見た」というコメントもいただいたので、マラバーシベット、インディアンシベットについて調べてみることにした。
▼目次はこちら (クリックして表示)
マラバーシベットとは?
マラバーシベットとはインドの西ガーツ山脈に生息する斑点のあるジャコウネコのこと。
▼西ガーツ山脈の場所はこの辺り
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに「CR(絶滅寸前)」としてリストし、生息数は250匹未満と推測される。
1930年代にトリバンドラムの動物園で飼育されていたオスの大きさは、頭と体の長さが76 cm、尻尾が33 cm、体重は6.6 kg。
19世紀、カルナータカ州からケララ州にかけの森や樹木が茂った低地でよく見られたが、1960年代までの広範囲にわたる森林破壊によって西ガーツ沿岸地域の自然林が減少すると、マラバーシベットの個体数も減少し、絶滅に瀕していると考えられるようになった。
数十年前までは、ケララの商人はマラバーシベットを飼育し、体臭腺から分泌された「霊猫香(れいびょうこう)」を薬や香水として使用していたそうだ。
どんな匂いがするんだろう?
霊猫香は、そのままだと強烈な糞の匂い。エタノールで薄めることで、麝香(じゃこう)=ムスクのような香りになる。香水の香りを長持ちさせる保留効果、花の香りをより花らしくさせる効果があるため、シャネルの5番にも使用されているようだ。
ジャコウネコは、漢字で「麝香猫」。
麝香の匂いを持つ猫っていうことなのかな!豆知識が一つ増えた。
スモールインディアンシベットとは?
スモールインディアンシベットとは南アジア、東南アジアに自生するジャコウネコのこと。
狩猟などによって個体数が減少しており、IUCNのレッドリストに「LC(軽度懸念)」としてリストされているが、インドでは珍しい動物ではないみたい。
一般的な大きさは、頭と体の長さが51〜58 cm、尻尾は38〜43 cm。
マラバーシベットとスモールインディアンシベットの見た目の違い
両者どちらも、体に斑点、尻尾にしま模様があり、よく似た見た目をしている。
一般人には見分けがつかず、今回のように元ツイート(そして私のRT)がバズってしまったわけだが、元ツイに野生動物の写真家カルヤンさんが両者の違いを説明してくれている。
That is a common small indian civet. Not Malabar civet
— Kalyan Varma (@KalyanVarma) March 26, 2020
❝ これはマラバーシベットではなくて、スモールインディアンシベットですよ ❞
Conservation Indiaは、その違いを以下のように説明している。
Until recently, few people have known of the existence or distinguishing characters of the Malabar civet. Among the civets seen in the Western Ghats, the small Indian civet is somewhat similar in appearance to the Malabar civet due to its banded tail and black-and-white markings, but is smaller in size.
Conservation India
The Elusive Malabar Civet
❝ 最近まで、マラバーシベットの存在や特徴を知る人はほとんどいませんでした。西ガーツで見られるジャコウネコのうち、スモールインディアンシベットは、しま縞模様と尻尾の白黒のマークがマラバーシベットに多少似ていますが、マラバーシベットよりは小さいです。❞
地球上に250匹未満しかいないマラバーシベットを一般人が見分けられるわけがないんですよな・・・
夜行性のジャコウネコがなぜ昼間に町中を歩いている?具合悪そう?
ジャコウネコは夜行性だ。
それなのに昼間にお散歩しているだなんておかしくない?
しかも動きが遅いし、具合悪そうじゃない?
これに対して、Indian Forest Serviceで働くパルビーンさんは以下のようにコメントしている。(※パルビーンさんも同じ動画をTwitterにあげていたのだが、合成じゃないの?と言われたため投稿は削除されている)
yes it seems sick. that is why i deleted it earlier to confirm that not a 3D image. But since they are nocturnal, so quite possible it is having tough time in walking in broad daylight.
— Parveen Kaswan, IFS (@ParveenKaswan) March 26, 2020
確かに病気に見えるね。
ジャコウネコのにしては歩くのが異常に遅いし。
老いていて病気、盲目かもしれないね。
こんなふうにぶらぶらしているだけなんてマジで信じられない。
でも交通ルールを守ってて偉い!
>病気のようですね、3D画像ではないことを確認するために以前の投稿は削除しました。
夜行性であるため、昼間を歩くのはとても大変だったでしょうに。
夜行性で、病気で衰弱していて、盲目の可能性がある、お年寄りのジャコウネコがなぜ町中に・・・
横断歩道をちゃんと渡っているのは偉い。
さいごに
マラバーシベットではなく、スモールインディアンシベットだったということで、大変失礼いたしました m(ᐡ_ᐡ)m💦
ロックダウンで外出できないことで、道路がスッカスカ ⇒ スモールインディアンシベットだけでなく、他の動物も森から出てくるようになるかもしれないね!
そして、先週末3月22日の外出禁止令から約1週間。インドでは大気汚染が一気に改善しているので、動物や植物になにかしらの変化があるかもしれない。
おしまい。
Wikipedia(Malabar large-spotted civet)
Wikipedia(霊猫香)
Wikipedia(Small Indian civet)
India Today(Small Indian civet walks on Kerala road on lockdown day. Twitter is in love)