12月に突入したにも関わらず10月の話について書くのはどうかと思うが、記録用に残しておこうと思い、「Airtel Delhi Half Marathon 2019」について、振り返ってみる。
インド在住の日本人で、出たいって人がいるかもしれないし…😂
デリーハーフマラソンとは?
(画像はWikipediaより拝借)
デリーハーフマラソンは、インド最大規模のハーフマラソン大会。
世界のメジャーハーフマラソン大会のひとつにも数えられる、大きな大会だ。
(参照元:14 Major Half Marathons)
2005年から開催されており、今年2019年は15回目の開催。
スポンサーはAirtel。大企業がスポンサーなので安心して参加できる。
インドでなにかイベントごとに参加するときは、スポンサー企業がどこなのか確認するのはとても大事。大企業がスポンサーについていないと、お金はない、オペレーションは悪い、悲惨なイベントになる。
大会名は「ハーフマラソン」であるが、ハーフマラソン以外にも、10km、5kmの設定もあるので、ランニング初心者でも気軽に参加することができる。多くの人が無理のない範囲内で頑張れるところが良い。
開催日 :2019年10月20日(毎年ディワリ前に開催)
カテゴリ:ハーフマラソン、10km、5km、3km(シニア・障害のある方向け)
参加費 :ハーフは2000ルピー
インドでランニングブーム!?
インドでは近年、健康意識の高まりからランニングがブームという記事をよく見かける。
本当にそうなの~?全然走ってるひと見かけないよ~?😂
そう思ったので、数字で確認してみることにした。
まず、全世界の国別マラソン統計(2019)を見てみる。
(参照元:Marathon Statistics 2019 Worldwide (Research))
▼マラソン大会の参加者の増減(2008年→2018年)
インドは過去10年で、マラソン大会の参加者は230%増えたそう。
1人+230%(+2.3人)⇒3.3人。3倍以上になっているんだね。
国別でみると、インドは全世界No.1の増加率。
これはフルマラソンのデータなので、フルよりも敷居が低いハーフや10km・5kmを含めるともっと増えているんだろうな~と推測します。
▼国別・フルマラソンの男女平均タイム
フルマラソンのタイムを見てみると、インドはブービー。みんな自分のペースで走っているんだね。
インドでは日常的に運動する人は少なく、一部の意識高い系のみが本気で取り組んでいる印象。
次に、インドのランニングイベントを申し込む際の定番サイトであるToenscript が集計した、インドランニング市場レポート(2018年)を見てみる。
(参照元:India Running Events Industry Report)
レポートによると、過去2~3年に開催されたランニングイベントのうち、参加者の65%は「10km」以下に参加していたという。
▼インドで近年開催されたランニングイベントの距離別参加者比率
ハーフマラソン以上に参加する人、少なっ…。
ランニング人口は増えていても、本気のランナーはそこまで増えているわけではなさそう。
日常的にしっかりと練習しなければいけないフルマラソンやハーフマラソンはまだまだ避けられていて、10kmと5kmが人気。
ちょっと頑張れば走り切れるくらいがいいのかな、たぶん。
まだまだ、「ランニング」=「ファッション・流行」の段階のようですね。
大気汚染は大丈夫?
大丈夫か、大丈夫ではないかで言うと、大丈夫ではないと思う。
AFP通信で、大気汚染のなかマスクをして参加する人たちが紹介されていたり。
ここまでして走る執念がすごいわ。毒ガス用マスクをして走るくらいなら、参加しない方がいいんじゃないのかとも思うが、私には理解できない複雑な事情があるのだろう。。。
参加のきっかけ
私は走ることが好きなのだが、健康維持が主な目的。
しかし、心が弱い人間のため、「健康のため」という大きなふわんふわんした目的では続けることができない。
なにか「明確な目標」がないと、モチベーションを維持できないため、定期的にマラソン大会に参加している。お金を払ってしまったのだから、やるしかないぞ!と自分に言い聞かせるのだ。
これまでは、「わざわざデリーにまで行って走る必要ないよなぁ~」と思っていたのに、今年いきなり走ってみたくなった。「インド最大規模」という言葉に負けたのかもしれない。オタク精神でいろいろコンプリートしたいタイプの人間なのだ。
そんなわけで、申込をして、航空券をポチった。
Bibピックアップ
前日にデリー入りし、ビブ(ゼッケン)を取りに会場へ。
ビブピックアップの会場は、Jawaharlal Nehru Stadium(ジャワハーラール・ネルー・スタジアム)。
ゲートがたくさんあり、どこか迷いつつも人に聞きまくって会場にたどり着く。
▼ビブ受取会場の内部はこんな感じ。スポンサー企業のAirtelのコーポレートカラーの赤色で統一。
▼「写真スポット」もあり、大賑わい。(わたしも撮りますた)
▼会場の外にはフードワゴンが!いま、お昼どき…お腹減ったな…
▼というわけで、マギーサンドイッチを購入。焼きそばパンみたいな感じです。
ハーフマラソン当日
スタートは6時45分。寝坊したが何とか間に合った。
▼やる気に満ち溢れているであろう人たち
この日のAQIは300越え。
Air Quality Index ってなぁに?
大気汚染の程度を測る指数のこと
~ 50:良い
~100:普通
~150:敏感な人の健康に良くない
~200:不健康
~300:極めて不健康
300超:危険!
危険と言われるレベルの中、走っていたようだ。
毎年、インド北部(デリー周辺)では、冬が近づくにつれて大気汚染がひどくなる。野焼きや焚き木のほか、ヒンドゥー教のお正月にあたる「ディワリ」で花火や爆竹をバンバン使うことが主な原因。
よって、デリーハーフマラソンは毎年ディワリ前の「まだ空気がマシな時」に行われている。
にも関わらずAQIが300越えって、なかなかヤバみ。
ちなみに、ディワリ後はAQIは1000を超えることもあるそう。恐ろしい。
ま、一応みんな大気汚染承知の上で走ってるんでね…。
そんなこんなで、無事完走。
▼ゴール後には「マッサージ&ストレッチコーナー」があるので、ここで体を休めることができる。
▼「写真スポット」もある。
「走ること」よりも、「完走したぜ Yeah★」的な写真をSNSにアップすることが目的なんじゃないかなぁ、と思うほどの必死さ。
人の写真を撮ってあげると、撮り直しを何度も要求されることもしばしばである。かっこよく写りたいよね。わかるわかる。
▼ちなみに、散々言っているが、自分もちゃっかり撮っている😂
▼協賛企業のプロモコーナー。楽しそう。
▼ちなみに超人気。
初めてデリーハーフマラソンに参加して感じたのが、「地元の人の応援が少ない」こと。少ないというか、「皆無」だ。
コース的な問題なのかもしれないし、大気汚染を避けて外に出たくないのかもしれないし、デリー人ではないので真相は不明だが、走ってる側としては少し寂しかった。
そんな中、ランナーを応援してくれたのが大会公式の応援隊。
沿道で、いい感じに着飾って、踊ったり、音楽を奏でてくれたりして、ランナーの気持ちを高めてくれる。AQIのボードを持ってランナーの士気を下げていた女性とは大違いだね。
まとめ
わざわざ遠征してまで、また参加するかどうかは微妙なところだが、気温も涼しく、コースも走りやすくてよかった。
大気汚染は、キニナル人は参加しなければいいのでは。ディワリ前なので大丈夫だと思うけど、喉が弱い人は避けた方がいいのかもしれない…。
私の場合、ハーフマラソン後に喉の不調はなかったが、鼻の穴は真っ黒になった。敏感な人は喉をやられる危険性あり。
今回、10km・5kmに参加している人の大半は、健康のためというよりも
というのが参加の大きな目的なんじゃないかなぁ…と思ってしまった。
完走後に写真スポットでメダルをかじって写真を撮る。
これは写真スポットであるあるの光景なのだが、観察していると、フルマラソンやハーフマラソン参加者よりも、10km・5km参加者の方がメダルかじりがち。
SNSでアピールすることが入口だったとしても、それをきっかけに本気で取り組む方が多くなればいいですね!
インドでランニング楽しみましょう!
おしまい。