
ナマステ、インド在住(現在一時帰国中)のKome(@chankomeppy)です。
私は4月の中旬にロックダウン中のインドから臨時便で一時帰国し、都内で14日間の自主隔離を終えたのち、北海道の実家に滞在している。
インドから日本に一時帰国して約1ヶ月が経った。久々の日本での生活は、良くも悪くも色々と思うことがある。というわけで、今回はインド在住者目線で日本の良いところ・微妙なところについてまとめた。
私が個人的に思うことであり、すべての人に当てはまるわけではありません。
食事関連
【○】ごはんが美味しい
説明不要で、日本のごはんが美味しい。
日本で生まれ育った私の脳には「日本食はおいしい」とインプットされているので、美味しいのだ。それ以上の理由はない。
- 食パンがモチモチしている(インドのパンはパサパサしている)
- お米が甘い(インドのお米は古臭い味がする)
- 肉の種類が豊富(インドでは鶏肉以外はあまり食べない)
- 生卵や生魚が食べられる(インドでも不可能ではないが衛生的に危ない)
- 漬物や納豆などの日本食がどこにでも売っている(インドではほぼ入手不可)
などなど・・・
例を挙げればきりがない。
コンビニスイーツも激うまだし、
コンビニ弁当も激うまだし、
コンビニ飯でも大満足。幸せの基準値が低いと、なんでも美味しい!
誘惑が多くて太ってしまうね!!
【○】食品パッケージの開け口・切り口が神
これはインドが劣っているのではなくて、日本がすごすぎるのだと思う。
ヨーグルトの蓋は綺麗に開くし、インスタントコーヒーのパックも指だけでストレスなく開けることができる。
右: インドのインスタントチャーイを指で開けたら失敗した。
「指だけで」というのがポイントで、インドでは蓋やパックを開けるのにナイフやハサミを使う。インドに限らず世界的にはそれが主流だと思われる。
日本の便利さしか知らないと、海外に行ったときに逆に困りそう。
【✕】野菜が高い
インドではインド産の野菜が安いため、日本の野菜が高いと感じる事態に陥っている。
以前、日本に数か月滞在することになったインド人同僚が「日本は野菜が高いからインドから玉ねぎやじゃがいもを持ち込もうと思う」と言っていたのを思い出す。「インドの野菜が安すぎるだけだって~全然高くないよ!」と返したが、今なら彼に共感することができる。あの時は失礼な発言をしてしまったとひそかに反省している。
ここで、暇なので「インドと日本の食品価格の比較表」を作ってみた。
インドの価格はbig basket(ムンバイエリア選択)、日本の価格は東急ストアネットスーパーで5月13日に確認したもので、1ルピー=1.45円くらいで計算。
野菜名 | 税込価格 インド |
税込価格 日本 |
インドの 何倍? |
---|---|---|---|
トマト | 1個 約4円 |
1個 約98円 |
20倍 |
キャベツ | 1玉 約30円 |
1玉 約400円 |
13倍 |
玉ねぎ | 1個 約5円 |
1個 約60円 |
12倍 |
きゅうり | 1本 約6円 |
1本 約70円 |
11倍 |
にんじん | 1本 約7円 |
1本 約60円 |
8倍 |
じゃがいも | 1個 約6円 |
1個 約40円 |
7倍 |
カリ フラワー |
1房 約70円 |
1房 約450円 |
6~7倍 |
ピーマン | 1個 約8円 |
1個 約50円 |
6倍 |
なすび | 1個 約10円 |
1個 約60円 |
6倍 |
インドは日本よりも物価が低いので、インドの食品価格の方が安いのは当然である。しかし、収入差を考慮しても日本は野菜が高い気がする。
東京都の平均年収が438万円で、インドの商都ムンバイの大卒(=中流階級以上)サラリーマンの平均年収は40万ルピー程度=約60万円。(出典: duda、PaySchale)
この平均年収を単純に計算すると、東京のサラリーマンは、ムンバイのサラリーマンよりも、438万円/60万円≒約7倍多くもらっていることになる。
この差を考慮して比較表をみると、「インドの何倍?」が7倍よりも大きいものは日本よりも割安、7倍前後のものは日本と同程度、7倍以下のものは日本より割高になる。
中流階級以上に限った話にはなるが、インドの収入に対する野菜価格は、日本よりも割安な傾向にある。
何度もしつこいが、やっぱり日本の野菜は高い。
【✕】インドスナックが入手困難
インド料理ばかりを食べていた生活が一変、日本食しか食べない日々が続くと、インドで食べていたものが恋しくなる。
私の場合、カレーよりもスナックが好きなので、サモサやドクラ、ワダパオ、パニプリやセブプリなどが食べたいのだが、インドスナックを提供するお店は限られている。
インド人が多く住むエリアでは入手できるのかもしれないが、ここは北海道。普通のインドカレー屋さん(とスープカレー屋さん)しかない。
あまりにも食べたすぎて、日本の食材でインドスナックを作る練習でもしておこうかな、だなんて思い始めた。
まずはサモサあたりから挑戦してみよう。(作ってみたら記事にします😂)
サモサ作ったよ!
交通関連
【○】道にでこぼこや障害物がない
インドの道はでこぼこしていたり、穴があったり、障害物があったりするので、下を見て歩かないと危険だが、日本ではその心配はなく前を向いて歩くことができる。
- モンスーンで洪水→道路や歩道がダメージを受ける→簡易的な修復工事をする→でこぼこになる
- モンスーンで洪水→簡易的な修復工事をしたところが再びダメージを受ける→再び簡易的な修復工事をする→さらにでこぼこになる
- マンホールが劣化して穴が開いている
- 工事中で道路や歩道に巨大な穴が開いている
- スピードの出しすぎを防ぐために、意図的に道路にこぶ(スピードブレーカー)が設けられている
障害物の例
- 動物(主に牛と犬)の糞があちこちにある
- カレーやビリヤニが落ちている(路上生活者に寄付した食事の残飯?)
- 木が倒れていたり、木の枝が落ちている
- 謎の大型ゴミ(便器など)が捨てられている
- 交通ルールを無視したリキシャーやバイク
実際に、穴やでこぼこにつまづいてランニング中に転倒したこともあるし、カレーを踏みつけてしまい服が汚れたこともある。
前を見て歩けるということは、先進国の特権だと思う。
【○】交通ルールをみんな守っている
歩行者:誰も信号無視や斜め横断をしない
日本にはありとあらゆる道路に横断歩道がある。車一台ぎりぎり通れるかどうかの狭い道路にさえも設置されている。そして、みんなきちんと信号を守って横断歩道を渡っている。
インドの場合、横断歩道はほとんどなく(大都市には少しだけある)、基本的にはタイミングを見計らって斜め横断するのが当たり前だ。横断歩道があっても信号無視をして渡る人が多い。
インドで斜め横断することに慣れている私にとって、「車が来る気配がないにも関わらず横断歩道で信号待ちをする」ことが知らない間に苦痛となってしまった。
タイミングをみて斜め横断したい気持ちと、信号無視はできないという気持ちが入り混じり、その結果横断歩道で謎にイライラしている。
インドで生活する以前は、横断歩道で信号待ちすることに一切のストレスを感じなかったので、これはインド生活で身に付けてしまった悪しき習慣のひとつと言えよう。
インドで車移動ではなく徒歩が多い人は、私のように横断歩道で待ちたくない病気を発症してしまうかもしれない。
運転者:クラクションを鳴らさず静か
日本では、道路交通法で「危険を回避するために必要なやむを得ないとき」以外はクラクションは鳴らしてはいけないと定められており、むやみにクラクションを鳴らすことは法令違反となる。
渋滞中にプップーと鳴らしちゃっている人を見ることはごく稀にあるものの、ほとんど見かけることはなく、道路が静かだ。
それに対し、インドでは運転中にクラクションを鳴らすのが当たり前。危ないからクラクションを鳴らすのではなく、「私の車が通りますよ~」と存在をアピールするために音をだしている。
人によっては、周りに車がいない状態でもプップーと鳴らすので、もはや癖になっているのかもしれない。車のハンドルを改造して、クラクション連打スイッチを取り付けているドライバーに遭遇したこともある。
そのため、四六時中クラクションの音がうるさい。私がインドで住んでいるアパートは比較的大きな通りに面しているので、夜でもプップカプップカうるさい。
クラクションが鳴らない世界はこんなにも静かなのかと改めて感じる。夜の住宅街の静けさは逆に怖くなってしまうほどだ。
自然・気候関連
【○】自然が多い
インドも緑が豊かな場所はたくさんあるのだが、そういう場所は山の中の避暑地リゾートだったり農村だったりするわけで、大都市にそのような場所はほとんどない。ムンバイには立派な国立公園(Sanjay Gandhi National Park)があるが、だいぶ郊外にあり自宅からも遠いので、用事がない限りわざわざ足を運ぶこともない。
しかし、日本では至るところで自然を感じることができる。都心でさえも、川が流れていたり、並木道があったり、道端に野草が咲いていたり、小さな自然があちこちにある。
インドの大都市では、道端で野草を見ることがないので、たんぽぽを見つけたときホッコリとした。
5月上旬は北海道で桜が満開となる時期。数年ぶりに桜を見ることができて嬉しかった。
【○】空、空気がきれい
インドの空気が汚いことは有名だ。特に首都デリーでは何度もAQI最高値(※)を記録しており、世界の大気汚染都市の上位に名を連ねている。
※ AQIとは
Air Quarity Index(空気質指数)のことで、大気汚染の程度を示す指標。
------------------
0~50: 良い
51~100: 並
101~150 : 敏感なグループにとっては健康に良くない
151~200: 健康に良くない
201~300: 極めて健康に良くない
301~500: 危険
最高値は999。日本のAQIは0~50程度、インドの大都市では基本的に常に150超、100を下回ることは少ない。
私が住んでいるのはムンバイなのでデリーほどひどい大気汚染を経験したことはないが、それでもリキシャーに乗った後は髪の毛が空気中の砂埃でキシキシになるし、窓を開けておくと窓周辺の床に砂埃がたまるくらいには空気が汚れている。
大気汚染によって空もどよーんとしていることもあり、青空が広がっている時はテンションが上がる。
大気汚染とは基本的に無縁の日本では、外を走っても髪の毛に砂埃が絡まないし、青空が当たり前、月は明るく、星も肉眼で確認できる。
空気がきれいなのはいいわぁ(しみじみ)
余談になるが、外でランニングをしていたら、おそらく砂埃を吸い込みすぎたせいで、アレルギー性鼻炎が悪化した。これをヨガの先生に相談したところ、「ゼロポリューションカントリー出身だから体が慣れてないんだね」とのこと。つらみ。
【✕】花粉症
日本に大気汚染はないが「花粉」はある。
私はなぜかこのタイミングで花粉症を発症。遂にシラカンバ花粉(※)に耐えられない体になってしまった。
(※北海道の花粉症は、シラカンバ花粉によるもの)
インドでは、ヒノキやスギの花粉は飛んでいないようなので、日本人が花粉症に苦しむことはなさそうだ。
インドからアレグラを持って来ればよかったな。
【✕】寒い
インドの高温多湿な気候に慣れているため、日本が寒いと感じる。
4月中旬から下旬に都内で自主隔離をしていた頃の気温は、最高20°/最低10°くらい。暖房を消すと寒いので、室温28度設定で暖房を入れていた。
自主隔離後は北海道に帰ってきたが、新千歳空港到着時、あまりの寒さにスーツケースからマフラーを取り出した。そのときの気温は10°をやや下回る程度。両親よりも厚着をしている自分を見て、うっすらと危機感を覚えた。
インドに住み始めた頃、10℃台後半でダウンコートやレザージャケットを着ているインド人を見て、「まじかよwどんだけ寒がりなのwww」と軽くバカにしていたが、過去の自分を悔いたい。今の私は彼らと全く同じ状況にある。
東京の気温はいま30℃近くにまで上昇しているというが、北海道も早くそれくらい暖かくなってほしい。
家関連
【○】家電の安心感が半端ない
日本の家電は、よく出来すぎている。家電を使うのに何一つ心配することがなく、安心感がある。
インドでは、日本の家電は高機能で高いので、最低限の機能で安い(そしてすぐ故障する)韓国製がメジャーだ。
故障しなくて高いものと、故障するけど安いもの、長い目で見れば前者の方が良いと思うが、目先のことだけを考えれば後者を選ぶのも理解はできる。
ここからは個人的な話になるが、私が住んでいるアパートは家具家電付きの賃貸で、白物家電はすべてサムスン製。
- 自動製氷機はついていない。
- 冷凍庫の氷が溶けて水漏れする。
- 連続で何回も使用すると、全然温まらなくなる。
- パワフルすぎて服の襟や袖が破れる。
- パワフルなので、回る音がうるさい。
- (洗濯機は関係ないが) 硬水によって白い服が灰色になってしまう
日本の家電は最強~(信者)!
【○】家に隙間がない
日本の家には、当たり前だが隙間がない。(古い家にはあるかもしれないが)
それに対し、インドの家は隙間だらけだ。そして隙間から砂埃が入ってくすのですぐに家が汚れる。新築でイケているアパートでも、どこかに隙間があるので被害に遭う。1週間家を空けると、床はうっすらと砂埃でおおわれる。
また、隙間から小虫が入ってきて住み着くこともある。
いつインドのアパートに帰れるか分からない私は、「インドに戻った時に、家が砂埃と虫まみれになっているのではないか」という心配をしている。
日本の家で隙間があれば欠陥住宅となるのだろうが、インドでは当たり前なのだから受け入れるしかない。
ちなみに、北海道の家は二重窓になっていて、家の中に面している方の窓はゴムパッキンで密着するので、本当に隙間がない。
よくよく考えると「家に隙間があるのは当たり前」ってやばいwww
【✕】家が狭い
インドの家が広いつくりなので、比較すると日本の家が狭いと感じる。
外国人が住むレベルのアパートは、1部屋10畳以上はある。
いきなり実家に戻ってきても部屋を用意してくれた家族には感謝しなければいけないのだが、やっぱり狭い。
買い物関連
【○】高品質な生活雑貨が入手可能
インドでなかなか入手できないもの、それは「高品質な生活雑貨」だ。
ここ2~3年でMINISO(メイソウ)やそれに準ずるチャイナ企業(※)が進出してきているので、それなりのクオリティーで日本人好みのデザインの小物は手に入るようにはなったが、日本と比較するとバラエティーはかなり限られているし、そもそも日本のアイディア商品や生活雑貨のパクリで品質もいまいちだ。
※MINISOやそれに準ずるチャイナ企業とは、「Japanese Desiner's Brand」と称して日本企業感を出してマーケティングしているが、実際は東京にペーパー本社があるだけのゴリゴリの中国企業のこと。多くのインド人は日本の会社だと信じ込んでいる。日本の100均で買えるようなものが200ルピー(約350円)くらいで売られているが、DAISOが進出していないインドでは在住日本人や韓国人の救世主的存在であることも否めない。
インドでも便利アイテムは購入できるが、安物買いの銭失い、とまではいかないが、すぐに壊れてしまう。
というわけで、せっかく日本にいるのでこんなものをポチっと。
cheero(チーロ)の自由自在に曲がる万能クリップ
結ばない靴紐のZubits(ズービッツ)

ハンディ―ビール泡サーバー

iNSPiC REC(インスピック レック)
日本円での収入がないにも関わらず、欲しいものが多すぎてぽちり過ぎている。
【✕】自分で商品を探すのが面倒くさい
インドで私が住むアパートの目の前に、品揃え豊富な路上店があり、牛乳、卵、パンをはじめ、たばこ、お菓子、ジュース、文房具、電池、トイレットペーパー、テニスボール(クリケット用)等々、なんでも取り扱っているのでコンビニ代わりに使っている。
上の画像は別の小規模な路上店の写真であるが、イメージとしてはこんな感じ。店主に欲しい商品を伝えて商品を出してもらうので、自分で商品を手に取って選ぶことができない。
インドに来た当初は、これがすごく不便に感じていた。しかし慣れてくるとあら不思議!これがすごく便利なのだ。
自分でわざわざ探さなくても、欲しいものが何でも出てくる。
これに慣れてしまったため、日本のコンビニで自分で商品を探すのが面倒くさいという事態に陥っている。
帰国当初は、「わぁ~このコンビニスイーツおいしそう💓」「このポテチおいしそう💓」「ビールがある~💓」と、選ぶことに楽しみを感じていたが、一通り楽しんだ後は面倒くさくなるというクソっぷりだ。
さいごに
インドに住んでいると不便なことが多いので、これまでの一時帰国時は「良い点」ばかりに目が行っていたが、1か月以上日本に滞在すると、インドの方がいいよな~・・・と思うこともチラホラ出てくるね。
とは言いつつも、日本のほうが圧倒的に生活しやすい。
とは言いつつも(2回目)、やっぱり早くインドに帰りたい。
早くインドに帰れますように...!!