ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
インドは日本と気候が違うので、日本であまり見かけない野菜やフルーツに遭遇することがある。
そのひとつが、インドでチクーと呼ばれる果物。
果物売り場に陳列されているので、果物ということはすぐに分かるが、見た目がジャガイモそっくり。
▼ジャガイモみたいでしょ?
どうやって食べるんだろう・・・
どんな味がするんだろう・・・
見た目から果物感があまり感じられないために、なかなか手を出せずにいたが、インドに住み始めて1年ほど経った頃、旅先でチクーを食べる機会があった。
見た目のイメージとは異なり、甘くておいしい!栄養抜群!そしてインド産フルーツだから安い!
それ以来チクーにじんわりとハマっているので、栄養成分を調べてみた。
せっかくなので、食べ方と栄養価、そしてその効能についてご紹介します。
▼目次はこちら (クリックして表示)
基本情報
チクー(चिकू / Chikoo)は、
英語でサポジラ(Sapodilla)、またはサポタ フルーツ(Sapota Fruit)という。インドではサポタの方が一般的かも。
チクーの木に実がなっている様子はまるでジャガイモが木にぶら下がっているかのように見えるのでツリー・ポテトとも呼ばれているそうだ(インドでは聞いたことない)。
樹木から取れる粘り気のある樹液がチューイングガムの原料となっており、和名ではチューイングガムの木と呼ばれている。
メキシコやベリーズといった中米原産で、スペイン人がフィリピンに持ち込み、それが東南・南アジアに広まって、インドでも一般的な果物となった。日本でも沖縄で栽培されている。
インドでは1キロ100~120ルピー程度で売られており、1食分はだいたい200~250グラムなので30~40ルピー。インド産フルーツなのでお手頃なのがうれしい。
食べ方
食べごろ(熟し具合)を見極める
チクーはしっかりと熟してからが食べごろ。
成熟したチクーは、柿と黒糖をミックスさせたような味で、イモ感溢れる見た目からは想像できないほどに甘い。一方で、未熟なチクーは、渋い・苦い・固い=おいしくない。
スーパーや果物屋さんで売られているチクーは未熟でお芋のように固いので、常温で数日寝かしてお好みの具合に熟すまで待つ。
一度冷蔵庫に入れてしまうと熟さなくなってしまうので、常温で寝かすのがポイント。
熟し方(柔らかさ)の目安は以下のとおり。
- カチカチに固い
【未熟】食べられない。 - 指で押すと少しへこむ(固め)
【熟しはじめ】まだ苦い。 - 指で押すとへこむ(柔らかめ)
【成熟】適度に甘く、梨のような食感。 - 指で押すとブヨブヨ
【完熟】激甘で、完熟したキウイフルーツや柿のような柔らかさ
完熟すると非常に甘いので、あまり甘いものが好きではない人は少し熟したくらいがちょうどよいのかもしれない。ちなみに私は甘いものが大好きなので完熟してからいただきます!
切り方
柿を切るのと同じ要領で切ればOK。皮はりんごや柿と同じ要領でむけばOK。完熟していれば皮と果実の間に包丁がすんなりと入る。
皮がついたままでも食べられるらしいが、インドだと農薬が染み込んでいそうなので、皮ははがした方がいいだろう。
▼ジャガイモじゃないよ
▼チクーを切ったよ
左のオレンジ色のものは、まだ熟していないので苦く、強いタンニンを感じる。熟すとだんだん実が茶色くなっていき、外だけでなく中も地味な色合いに😂
▼盛り付けるよ
これで250グラムくらい。
チクーの色んな食べ方
私は切ってそのまま食べることが多いが、インドでは「チクーのミルクシェイク」「チクーのクルフィ」「チクーのアイス」など、デザートにも使われがち。
▼チクーのミルクシェイクの作り方。バナナミルクと同じ要領で作れるよ!
▼インドのハーゲンダッツと称される「Natural」のメニューカード。チクー味は「ROUND THE YEAR」にあるよ~
栄養価
チクーの栄養価は非常に高く、他のフルーツにはない栄養成分がたっぷり。
栄養成分
学生時代に家庭科の食品成分表の資料集を手放せなかったくらいの、軽度の栄養成分オタクなので、成分も調べてみた。
栄養成分 | 100gあたり 栄養価 | 1日あたり摂取目安量 に対する割合 |
---|---|---|
熱量(カロリー) | 83kcal | 4% |
たんぱく質 | 0.44g | 1%未満 |
脂質 | 1.1g | 3.5% |
炭水化物 | 20g | 15% |
食物繊維 | 5.3g | 14% |
ビタミンA | 60IU | 2% |
ビタミンC | 14.7mg | 24% |
ビタミン-ナイアシン | 0.2mg | 1% |
ビタミン-パントテン酸 | 0.252mg | 5% |
ビタミン-チアミン | 0.058mg | 5% |
ミネラル-銅 | 0.086mg | 9% |
ミネラル-鉄 | 0.8mg | 10% |
ミネラル-ナトリウム | 12mg | 1% |
ミネラル-カリウム | 193mg | 4% |
ミネラル-マグネシウム | 12mg | 3% |
(ソース:Sapodilla (Sapota) nutrition facts)
注目すべきは、ビタミンCの含有量。ビタミンCは体内で生成することができないので、外から摂取するしかなく、「神様の忘れ物」ともいわれる栄養素。
ビタミンCはレモンをはじめ、アセロラやキウイフルーツ、イチゴといった果物に多く含まれており、ビタミンC=酸味がある果物をイメージするが、チクーは全然酸っぱくない。
チクーには100グラムあたり15ミリグラム=レモン3/4個分のビタミンC(※)が含まれている。1食分は200~250グラムなので、30~40ミリグラム=レモン2個分弱に相当するビタミンCを摂取できるということになる。
※レモン1個分のビタミンC=約20mg
文部科学省の食品成分データベースによるとレモン果汁100gに含まれるビタミンCは50mgであり、レモン1個(約120g)に含まれる果汁の量は約30%であることから、
120g/100g × 50mg × 30% ≒ 20mg
ビタミンCの成人の1日あたり推奨摂取量は100ミリグラムだが、過剰摂取しても排尿されるだけで、特に体に害はないのでたくさん摂りたいところ。(ただし、肝臓が悪い人は一度に3000mg以上のビタミンCを取ると下痢になると言われているので注意)
特に、喫煙者はタバコ1本につき25mgのビタミンC(レモン1/2個分に相当)が消費されてしまうため、アメリカなどでは1日200mg以上のビタミンCの摂取が推奨されているほどだ。タバコを吸う人は積極的にビタミンCを摂ろうね。
ビタミンCが豊富な果物として、チクー以外ではザクロも有名。ザクロは、いかにもビタミンC!という味がするので大好き。ビタミンCは無味無臭なんだけどね~😂
効能
- 食物繊維が豊富
便秘に効果的! - タンニンが豊富
風邪・感染症予防(抗菌作用)
生活習慣病予防(抗酸化作用)
逆流性胃腸炎や食道・腸の炎症を軽減(抗炎症作用)
花粉症やアレルギー性鼻炎によるムズムズを軽減(抗アレルギー作用) - ビタミンCが豊富
免疫力を高める(抗菌作用)
貧血の改善(鉄分の吸収を促進)
ストレスに対する抵抗力を高める(抗ストレスホルモンを合成)
(ソース:Sapota a wonderful fruit from nature)
食物繊維
日常的にチクーと、プレーンヨーグルトやミューズリーを一緒に食べれば、便秘知らず!
タンニン
ウイルスやアレルギーに負けない強い体をつくるのにもってこい!
ビタミンC
チクーは鉄分も多く含んでいるので、チクーを食べるだけで「鉄分」+鉄分の吸収を促す「ビタミンC」を一度に摂取することができて、貧血克服!。
美容効果も!
ビタミンCがメラニン生成を抑制してくれる
美白💓
ビタミンCがコラーゲン生成を助けてくれる
もちもちお肌に💓
ビタミンC・タンニンが肌の老化を抑制してくれる(抗酸化作用)
シミ・シワを作りづらく💓
タンニンが口臭を予防してくれる(消臭作用)
いつでも息スッキリ💓
美容に欠かせないビタミンCを豊富に含んでいるので、美容にも嬉しい効果が期待できる。
注意事項
100グラムあたり83Kcakと、カロリーが高いので食べすぎにはご注意。
さいごに
「黒糖みたいに甘くておいしい」という理由でチクーを食べていたが、今回栄養成分と効能を調べてみて、その優秀さに驚いた!
インドをはじめ、東南アジアといった熱帯地域では年中食べることができるので、ぜひチクーを日々の生活に取り入れてみてください!
日本ではなかなかお目にかかることはないが、種から育てることもできるみたいっス…。何年かかるの…😂
こちらのブログによると、種をまいてから収穫までに5~8年かかるらしい。
日本では、沖縄を除いて現実的に入手困難だと思うので、インドや東南アジア、中南米にいるときに是非とも食べたい果物だね。
この記事を書いてチクー愛がより強まった。毎日食べようかな☺