ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
インドは大きな国なので、ガイドブックに載っていない観光名所がたくさんある。
タミル・ナードゥ州にある世界で2番目に大きなマングローブ林、ピチャワラムマングローブ林(Pichavaram Mangrove Forest)もそのひとつ。
ネットで調べても、日本語はもちろん、英語の旅行記さえも全然見当たらず、謎だらけ・・・。
実際に行ってきたので、行き方や現地の様子について記録に残しておきます。
おそらく日本語で唯一のピチャワラムマングローブ林についての記事(だと思う~~)
- 南インド旅行者
- インドバックパッカー
- ガイドブックに載っていないインドの観光地を知りたい人
インドにマングローブ林?
インドにマングローブ林?と意外に思うかもしれないが、インドはマングローブの一大生息地のひとつ。
世界で1番大きなマングローブ林は、バングラディシュからインドのウエストベンガル州にかけて広がるシュンドルボン(The Sundarbans )で、1997年に世界遺産に登録されている。
(※ヒンディー語ではスンダルバンと発音)
ベンガルの南のオリッサ州にはビタルカニカマングローブ林(Bhitarkanika Mangroves)、オリッサの南のアンドラ・プラデーシュ州にはゴダワリ-クリシュナマングローブ林(Godavari-Krishna Mangroves)が広がっており、これは世界で5番目に大きい。
さらにその南、タミル・ナードゥ州には、この記事で紹介するピチャワラムマングローブ(Pichavaram Mangrove Forest)がある。
上の画像だと小規模に見えるが、シュンドルボンに次いで世界で2番目に大きい。
このように、インド東海岸のベンガル湾に面した地域はマングローブが生い茂っている。
「インド」=「カオス」「汚い」というようなイメージが先行してしまっているのただろうか、インドの豊かな大自然について、我々外国人にはあまり知られていない。
かくいう私も、2019年末にタミル・ナードゥ州南部を旅行するまで、ピチャワラムマングローブ林について全く知らなかったわけだが・・・。
行き方
チダムバラムから
起点となる町は、南インドのヒンドゥー教の聖地のひとつ、チダムバラム(Chidambaram)。
チダムバラムからローカルバスでキライ(Killlai)という村まで行き、オートリキシャーに乗り換える。
マングローブ林のボート乗り場への直行バスもあるそうだが、本数が3~4時間に1本しかなく限られているため、キライ経由で行くのがオススメ。キライに停車するバスは1時間に何本あるのかは不明だが、バス停にいたインド人曰く「many many」とのことなので、それなりにあるのだろう。
▼乗車場所はこちら
チダムバラムからキライへは約13km、所要時間約30分。バス運賃は片道13ルピー。
キライのオートリキシャースタンド付近で降車。
▼降車場所はこちら
※ちなみに、ここは正式なバス停ではないようなので、バスの車掌さんに「ピチャワラムのマングローブ林に行きたい」と事前に伝えておくのがベター。
オートリキシャーに乗り換えて、ピチャワラムマングローブ林へ向かう。リキシャードライバーには「マングローブ・フォレスト」と言えばOK◎
リキシャースタンドからボート乗り場へは、約3km、リキシャーで5分程度の距離。運賃は交渉しなければいけないが、80ルピーが相場のようだ(地元のタミル語を話せる人たちが80ルピーを支払っているのを目撃したので、多分ね)。 片道200ルピー支払ったという人もいたので、そこは要交渉力。
チェンナイから
チェンナイからは南に約200km離れた場所にあり、車で片道5時間前後。
公共交通機関を使う場合は、鉄道やバスでチダムバラムまで行き、そこからローカルバスで向かう。
車を借りない限り日帰りは不可。車で日帰りしたとしても移動時間が長いのでしんどい。
ポンディシェリーから
ポンディシェリーからは南に約80km離れた場所にあり、車で片道2時間前後。
公共交通機関を使う場合は、バスでチダムバラムまで行き、そこからローカルバスで向かう。
車の場合も、公共交通機関の場合も、日帰りが可能。
ボート乗り場に到着
バックパッカーのバイブルと言われている地球の歩き方にやロンリープラネットにも載っていないので秘境なのかと思いきや、タミル・ナードゥ州観光局もエコツーリズムに力を入れているようで、ボート乗り場はきちんと整備されていた。船着き場みたいなのを想像していたので、ちょっとビックリ。
州内はもちろん、隣接しているケララ州やカルナータカ州から車で わ ざ わ ざ 10時間もかけて来たというファミリーや、ポンディシェリから日帰りで来たという外国人もいた。私が訪れたのが週末だったということもあり、大賑わい。
敷地内をうろうろしていると、なにやら見覚えのあるロゴが…!
JICA~!
こんなところで、日本とインドのつながりを発見。
ボートを予約(ボート料金も紹介)
ボート料金は州観光局が定めた定額運賃が適用される。距離と時間とボートの種類によって運賃が異なる。
ボート漕ぎのおっさんと交渉することを予想していたので、ホッとしたような、少し寂しいような、そんな気持ちになった。
RAW BOATは手漕ぎのボートで、MOTOR BOATはその名の通りモーターがついた高速ボート。
モーターボートは快適だが、横幅が広いため、狭い水路を進むことができない。それに対し、手漕ぎのボートは狭い水路も問題なく通過できるので、マングローブのトンネルをくぐったりとアトラクション満載。ここで選択すべきは手漕ぎボート一択だ。
にしても、30分って短くない…??? 新聞紙で下の方隠されてるし…
と思ったら、別のボート料金表を発見。どうやら、週末の大混雑により乗客をさばききれないと判断した職員が、乗船時間を短縮して2時間コースをなくしたようだ。時間は半分なのに運賃は同額ってところが悔しい。
2時間乗りたかったな…。マングローブ林を最大限に楽しむためには、できることならば週末や祝日は避けた方が無難だ。私と同じ目に遭うかもしれない。
ボートの予約カウンターは行列ができていて、炎天下の下待たなければいけなかった。
30分ほど並んで、ボートを予約。料金を支払うと整理番号が書かれたレシートをもらえる。
乗りたい人に対してボートの台数が足りないため、待合室で整理番号が呼ばれるまで待機することになった。
1時間ほど待って、ようやく番号が呼ばれた。
30分のボート乗船のために、ボートを予約するのに30分、ボートを待つのに1時間、合計1時間半も費やした。
朝イチはこんなに混雑していないよ、とボート乗り場の職員が教えてくれた。でしょうな。何をするにも早起きは三文の徳である。
ボートに乗る
番号を呼ばれたら、ライフジャケットを受け取ってボート乗り場へ。
ボートライド、スタート!
ここからは写真と動画でお楽しみください。
▼まずは写真をどうぞ
▼動画でもどうぞ
あっという間の30分。(そりゃそうだ)
最後に、敷地内の塔から広大なマングローブ林を撮影した。
この広大なマングローブ林のほんの一部分の細い水路をボートで通ったわけだが、できることなら3時間くらい彷徨って奥の方まで行ってみたかったね。
ちなみに、塔への入場料は5ルピー。マングローブ林を見渡せてとてもキモチイイので、ぜひ登ってみてください。
さいごに
週末の大混雑により30分だけしかボートに乗れないのは想定外ではあったが、それでも十分楽しめた。
ピチャワラムマングローブ林への起点となる町であるチダムバラムに行くという人はなかなか少ないとは思うが、ポンディシェリーに行くという人はそこそこいると思うので日帰りで立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
南インドを旅行される方の参考になれば幸いです。
チダムバラムに帰る前に、キライ村を少し探索していると…
クリケットをしていた子供たちが走ってきたよ~!癒し系。