ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
ムンバイには「ムンバイのモンサンミッシェル」と呼ばれている建物がある。
「モンサンミッシェル」といえば、フランスを代表する世界遺産だ。
カトリックの巡礼地のひとつで、満潮時は海に浮かんでいるように見える修道院である。
ムンバイのモンサンミッシェルとは、イスラム教の聖人ハジアリのお墓、ハジアリ霊廟だ。
みんながモンサンミッシェルと言っているのを聞いたとき
ちょwww名前負けwww¥
と初めのうちはその呼び名をバカにしていた。
しかし実際に、アラビア海にポツン浮かぶその姿を見てみると「上手いこと例えるもんだなぁ」と感心したものである。
というわけで、今回はハジアリ霊廟についてまとめてみた。
▼目次はこちら (クリックして表示)
はじめに:ハジアリ霊廟について
ハジアリ霊廟は、ムンバイがまだポルトガルに支配される以前、 グジャラートスルタン朝統治時代の1431年に聖人ハジアリのお墓として建てられた。
ハジアリはウズベキスタン出身のイスラム教徒。なぜ彼のお墓がムンバイにあるのか?
それを説明するために、 ❝ ハジアリの奇跡 ❞と呼ばれている伝説について紹介する。
故郷ウズベキスタンの人里離れた場所で座っていたハジアリは、 空の器を手に持って道で泣いている貧しい女性を見た。 どうして泣いているのか尋ねると、彼女は空の器を指さしながら、 器の入っていた油をこぼしてしまい、油なしで家に帰ると夫に打たれると答えた。
ハジアリは彼女と一緒に油がこぼれた場所に行き、親指を地球(地面)に押し付けると、 噴水のように油が吹き出し、容器は油で満たされ、女性は大喜びで家に帰った。
その後、ハジアリは彼の行為によって地球を傷つけたという夢を見るようになり、 それから後悔と悲しみに満ちた深刻な状態となり、調子が悪くなった。
そのため、ハジアリは母の許可を得て兄弟と一緒にインド旅行をし、 ムンバイの海岸(現在の墓のちょうど反対側の場所)に到着した。 兄弟は故郷に戻ったが、ハジアリは母に手紙を送り、 健康を維持していること、そしてイスラム教を広めるためにムンバイに永住することを伝える。
ハジアリは死ぬまで祈り続け、彼を定期的に訪問する信者たちにイスラム教についての知識を広め続けた。
ハジアリは死ぬ前、彼の元を訪れた信者に 「遺体を墓地に埋葬(bury)しないでおくれ、人々に思い出されないようにする(bury)ために海に投げてくれ」と忠告した。
彼の願いは信者たちによって叶えられ、海の真ん中に霊廟が建てられた。
ハジアリ霊廟公式サイトに記載の内容を日本語訳しました。
「メッカ巡礼途中に亡くなって、その死体が漂流した場所にハジアリ霊廟が建てられた」という別の説も存在し、日本語のハジアリに関する記事(某大手旅行代理店のウェブサイトや旅行者のブログ記事等)ではメッカ説のみに言及している。
しかし、公式サイトとWikipedia(英語版) には貧しい女性の油の話しか載っていない。メッカの話はどこから出てきたんだ~
メッカ巡礼途中に亡くなったという説も存在するのだろうが、現在はオフィシャルに「貧しい女性の油説」を推しているようだ。ただ500年以上も前の話なので、真相は誰にも分からない。
アクセス
ハジアリ霊廟はムンバイ南部エリアに位置する。
最寄駅はムンバイ郊外鉄道ウエスタンラインのマハラクシュミ駅(Mahalakshmi St.)で、駅からハジアリ霊廟の入り口まで徒歩20分程度。歩くのはつらいのでタクシーに乗るのが賢い選択。
ムンバイでは、タクシー代をぼったくられるれる心配は不要。運転手はメーターで走ってくれるので、駅から入り口までの運賃は50ルピーくらい。
(※挙動不審だったり、見るからに「旅慣れてない」感が満載だと、ぼったくられる可能性があります)
▼ハジアリ霊廟の場所はこちら
Haji Ali Dargah
住所:Dargah Rd, Haji Ali, Mumbai, Maharashtra
Website:http://www.hajialidargah.in/
ちなみに、マハラクシュミ駅のすぐそばには「ドービーガート」という洗濯業に従事する不可触民の仕事場兼住居(スラム)があるので、一緒に訪れるのがオススメ。
▼ドービーガートについてはこちらの記事で詳しくまとめているよ!
ハジアリ霊廟へ!
参道はいつも大混雑
遠くから見てもわかるほどの、すごい人数の参拝者が参道に~~~!
この参道を歩いてハジアリ霊廟に向かう。満潮時は参道が海に飲み込まれているため、 潮が引いている早朝、または日が落ち始めてからしか行きましょう。
参道沿いにはお店がズラ~っと並んでおり、ハジアリグッズなんかも売られている。
ほんとにすごい人の量~・・・。
参拝者はイスラム教徒が多いが、ヒンドゥー教徒もちらほら。結局は有名なところでイエーイ★ってしたいんだよね。
参道には体に障害を持った人たちが等間隔で座っており、小銭稼ぎをしている。 不自然なくらいに等間隔なので、バックに怖い人たちがついているのかもしれない。
モンスーン時は海水にご注意
モンスーン時(6月~9月頃)は海の水量が多くなっているため干潮時でも油断はできない。
こんな風にばっしゃーんと海水がかかる恐れもあるのでご注意を!!
ハジアリ霊廟に到着
長い参道を歩いてハジアリ霊廟がある島に到着。ゴミだらけで汚い。
手前にある発泡スチロールで作られたミニハジアリの残骸が見えるだろうか? 子供たちが工作したらしい。ずいぶん上手だよねw
入り口の門のところには出張写真屋さんがおり、記念写真を撮影してもらっている家族がちらほら。
インドの観光地によく出没するカメラマン。一眼レフカメラとポータブルプリンターを持ち運ぶ。 撮影代は無料、印刷代は写真1枚30ルピーと良心的な価格設定であるため、一眼レフに憧れを抱くインド人の心をつかんでいる。
門をくぐって霊廟へ。霊廟の敷地内は誰でも入れる。霊廟の中に入らず、敷地内で霊廟の周りをうろうろするだけならノースリーブでも大丈夫。
霊廟の中には、イスラム教徒に限らず誰でも入れることができる。ただし、神聖な場所なので、男性も女性も頭を隠す必要があり、女性は肌の露出を控えなければいけない。
私はこれまでに何度もハジアリ霊廟に行ったことがあるのだが、毎回スカーフを持参するのをついうっかり忘れてしまうため、未だに霊廟の中に入ったことはない。
というか、途中でスカーフを忘れたことに気づいたとしても「まぁいいや」ってなっちゃうんだよね。そこまでしてハジアリ霊廟の中に入りたいと思わないというか、なんというか。ムスリムじゃないしね・・・
初めてハジアリ霊廟を訪れた際は、一緒に行った友人の1人がイラン人だった。彼はかなり西洋ナイズされているものの心は厳格なムスリムで(生まれてから4回しかお酒は飲んだことないらしい・・・ってあるんかーい)、彼だけが霊廟の中に入ってお参りをした。霊廟から出てきた友人は感動している様子だった。
どうしても内部も見たい!という方は頭と肌を隠すものを持参するのを忘れないように。
霊廟周辺の岩海岸
さて、ハジアリ霊廟に来たなら、せっかくなら霊廟のすぐ隣にある矢印のゾーンにも行ってみよう。
・・・・・
人居すぎだろ~\(ᐢoᐢ)/
ムンバイっ子たちは海が大好きだ。特に何をするわけでもなく、海で遊んでいる。千葉県民が「俺たちにはディズニーランドがあるぞ!」と誇りに思っているように、ムンバイ市民も「俺たちには海があるぞ!」と誇りに思っているのだ。
ちょw と思うかもしれないが、嘘のようなホントの話。インドでイケてる大都市(デリー、バンガロール、ハイデラバード)の中では唯一海があるからね!
夜はライトアップ
暗くなるとライトアップされてそれはそれできれい。雰囲気が違っていいよね!
帰りはハジアリジュースセンターにも立ち寄ってみて!
ハジアリ霊廟の参道入口のすぐ隣に、異様ににぎわっているジュース屋さんがある。それがハジアリ・ジュースセンター(Haji Ali Juice Centre)だ。
1960年代に開業した歴史ある名店。ハジアリ霊廟に行ったらここに立ち寄る、というのが定番コースになっているためいつも大混雑している。
ハジアリ霊廟を訪れる層に対してメニューの単価が高いため、4人で4席占領してるのに1つしか頼んでいない(4人で1つのアイテムをシェア)という事態が発生しており、これも混雑の原因となっている。ローカルのお店にしては少々高いが、ハジアリの思い出にいかがですか?
ちなみに、ムンバイだけでなくバンガロールにも支店があるらしいw😂 たしか、ドバイにも支店があったはずww
▼トリップアドバイザーのレビューはこちら
さいごに
ムンバイ唯一のイスラム教の有名観光スポット!
モンサンミッシェル度は低いが、きっと楽しい思い出になるはず。
わたしも散々言いながら毎年1~2回は訪れていて、毎回それなりに楽しんでいますw
この記事が、インドを旅行する方のお役に立てばうれしい限りです。
▼インドのイスラム教についてはこちらをCheck!
- シャンタラム
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- ぼくと1ルピーの神様(スラムドッグミリオネアの原作)
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- 地球の歩き方(2020~21)
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