ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
ムンバイの近くに「エレファンタ島」という小さな島がある。
この島には世界遺産に登録されている「エレファンタ島石窟寺院群」があり、その歴史はいまも多くが謎に包まれている。
今回は前編と後編に分けてお届け!
- エレファンタ島の歴史
- エレファンタ島への行き方
- エレファンタ島の見どころ
まずは前編からどうぞ~!
▼目次はこちら (クリックして表示)
はじめに:エレファンタ島の歴史
エレファンタ島の歴史は・・・
謎だ。
第一に、エレファンタ島の石窟寺院には、碑文がほとんど残されていないため、いつ頃作られたのか特定するのが難しい。
第二に、ムンバイを占領していたポルトガル人が16世紀に島を発見、基地を作るために多くの寺院・彫刻が破壊された。
そのためエレファンタ島の歴史について詳細は未だにわかっていない。
いつ頃つくられたの?
彫刻にみられる山や雲、服装、装身具の描写方法などから見て、グプタ朝(※)時代の特徴があると言われており、5世紀から8世紀の間につくられたと推定される。
4世紀から6世紀にかけて栄えたヒンドゥー教を国教とする王朝で、北インドを統一し古代インドの黄金時代を築いた。
グプタ朝3代目のチャンドラグプタ2世は、デカン高原一帯を支配していたヴァーカータカ朝に娘を嫁がせたことにより、グプタ朝の文化が西インドにも流入。デカン高原にあるアジャンター石窟寺院には、5世紀頃に作られたグプタ様式の壁画や彫刻が残っている。
島の名前の由来
地元の人達は、「洞窟の町」を意味する「ガラプリ(Gharapuri)」と呼んでいるが、外国人にはエレファンタ島という名前の方が有名。
エレファンタ島という名前は、この島で見つかった巨大な石造の象に由来する。16世紀にムンバイを占領していたポルトガル人がこの島を見つけ、象の石像をがあったことから「エレファンタ島」と呼ぶようになった。
しかし、象の石像は現在エレファンタ島にはなく、ムンバイのドクター・バウ・ダージ・ラッド博物館(旧名:ヴィクトリア&アルバート博物館)の外に置かれている。
なぜ島にあった象の石像がムンバイにあるのかというと、19世紀にイギリス人が象の石像を分解して船でイギリスへ持ち帰ろうと試みたためだ。イギリス人はムンバイまで運んだところで挫折。象はなんとか元の姿に組み立てなおされ、博物館の外に展示されることとなった。
エレファンタ島への行き方
エレファンタ島はムンバイから10キロほど離れたところにある小さな島だ。
▼エレファンタ島の場所はこちら
ムンバイからエレファンタ島へは、インド門の裏側から出ているフェリーに乗船して向かい、所要時間は1時間~1時間半程度。
モンスーンシーズン(6月末~9月上旬頃)は海の水位がUPして危険であるため、フェリーは運休となる。
モンスーン期間中でも、序盤(6月後半)や天気がよい日は運航していることもあるが、行ってみないとわからないし、ムンバイからエレファンタ島に行けたとしても天気が変わって帰りの船が出ないという可能性も否めないので、モンスーン期間中には行かない方が無難であろう。
エレファンタ島行きのフェリー乗り場は、タージマハルホテルの向かいにあるインド門の裏側にある。
裏側に行くと、フェリーに乗るための列ができているので「エレファンタアイランド?」と行先を確認して列に並ぼう。フェリー運賃は往復で150ルピー(インフレで値上げしているかもしれない)。
ムンバイからエレファンタ島へのフェリーは朝8時~9時頃からお昼すぎまで30分ごとに出ており、エレファンタ島からムンバイへ戻るフェリーは夕方18時ごろまで。
午後にエレファンタ島に向かう場合は復路最終便の出発時間はきちんと確認しておくこと。
フェリーは2階建て構造になっている。2階席は曇りで風があるときは涼しくて気持ちよいのだが、日差しが強い時は暑くて厳しい。フェリー2階には日よけとなる屋根があるが、フェリーによって屋根が大きいもの・小さいものがあり、どれになるかはその時のタイミング次第。
「海から見たインド門とタージマハルホテル」を綺麗に撮影するためには2階席がマスト。
セルフィーが大好きなインド人の皆さんは、船セルフィー・海セルフィーをするために2階席で撮影会を始めるため、出発してから初めのうちは2階席が人気。暑くなってくると徐々に1階席に移動する人が出てき始め、最終的に1階席は満席となるので、いい写真が撮れたらすぐに1階席に移動するのがオススメ。
エレファンタ島の主な見どころ
エレファンタ島の見どころは3つ。
- トイトレイン
- お買い物ロード
- 石窟寺院
①トイトレイン
フェリー乗り場から参道までは徒歩(10~15分程度)、またはトイトレイン(運賃10ルピー)で向かう。
良心的な運賃で人気アトラクションなので、混雑不可避。
トイトレインは参道の入口まで。入口には屋台が数軒あるので、ここで軽くお腹を満たすのもいいね♪
②お買い物ロード
石窟寺院までの参道は、長い登り階段が続く。
階段の両脇にはお土産屋さんがズラーっと並んでいる。
その中でも、「tantra」というムンバイ発のインドデザインのTシャツ屋さんはおすすめ~👏
オンラインでは、tantraのオフィシャルサイトまたはAmazon Indiaで取り扱いあり。
なぜエレファンタ島で販売しているのかは謎だが、見つけたらぜひ足を止めてみてほしい。インド感あふれるおしゃれなTシャツが500ルピー前後で手に入る。
③世界遺産の石窟寺院
参道を登りきり、エレファンタ島石窟寺院群の看板が見えたら石窟寺院はすぐそこ!
エレファンタ島には、キャノン・ヒル(Cannon Hill)とストゥーパ・ヒル(Stupa Hill)という2つの丘があり、これらの丘に合計7つの石窟寺院がある。
5つの石窟寺院(第1~5窟)
ストゥーパ・ヒル2つの石窟寺院(第6~7窟)
第1~5窟
エレファンタ島の石窟寺院群で最も有名なのが、シヴァ神を祀る第1窟だ。
第1窟内部には様々な姿のシヴァ神の彫刻がほどこされており、エレファンタ島最大のみどころだ。
シヴァ神の彫刻については、後編で詳しく解説している。
整備された道を進むと、第2~5窟がある。
第1窟が見ごたえ抜群であるため、それと比較してしまうと、正直なところ第2~5窟は物足りない感あり。柱は修復されているが、彫刻の損傷が激しかったり、未完成だったりするので、じっくり足を止めて見るものは特になく、ササーっと見て終了という感じ。
第1~5窟があるキャノン・ヒルは、その名の通り「大砲」が残っている。ポルトガルが島を基地として使用していた時代に使われていたもので、インド人青年たちが大砲に跨ってセルフィーを楽しんでいる。
第6~7窟
第6~7窟があるストゥーパ・ヒルへ行く人はほとんどいないため、道はあまり整備されておらず険しい。
第6窟は、ポルトガル占領下の時代に「教会」として使われていたそうだ。
第7窟をさらに進んでいくとストゥーパ(卒塔婆)があることから、エレファンタ島の最初の住人は仏教徒であったことがわかる。
さいごに
第1窟と、それに隣接する第2~5窟を観光して、所要時間は2時間~2時間半程度。早い人だと2時間もかからない。
- 往路フェリー:1時間半
- 観光 :2時間
- 復路フェリー:1時間半 合計 5時間
ムンバイを出発してからムンバイに戻ってくるまで、半日あれば十分だろう。
第6~7窟や大砲もしっかりと見たい場合は、時間に余裕を持って午前中に訪れること。
この記事が、インドを旅行する方のお役に立てばうれしい限りです。
後編(第1窟にある様々なシヴァ神の彫刻)につづく。
- シャンタラム
リンク
- ぼくと1ルピーの神様(スラムドッグミリオネアの原作)
リンク
- 地球の歩き方(2020~21)
リンク