ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
インドの刺繍が大好きな私。カシミール刺繍のラグとバッグを入手いたしましたので、今回はその自慢をさせていただきます、オホホホホ🤭
▼目次はこちら (クリックして表示)
インド刺繍を好きな理由
広い国土と深い歴史を持つインドでは東西南北各地で文化が全く異なり、その土地ならではの美しくユニークな伝統手工芸が存在する。旅行の際にはそれらを自分へのお土産として購入するのが旅の楽しみのひとつだ。
お土産として購入するのは、布製品や織物、刺繍が施されたポーチやストール、インド服が多く(かさばらずお土産として持ち帰りやすいからね!)、気が付いたらインドの刺繍に大変興味を持つようになっていた。
しまいには「自分でも素敵なインド刺繍が施せるようになりたい!」と思い、刺繍の練習を開始。
週末はちまちまとヘナ模様の刺繍をしていた。マスクにするの!今日縫い付けて完成させる! pic.twitter.com/SBgCxgResA
— ᴷₒᴹₑ🇮🇳 गुड़गाँव में🕉️ (@chankomeppy) November 2, 2020
自分で刺繍してみてわかったことが一つある、
めちゃくちゃ手間暇かかるーーーーー!
私が初心者というのもあるが、一見簡単そうに見えるデザイン・ワンポイントのシンプルなデザインを刺繍するのに何日も要し、私がこれまで買ってきたようなインド刺繍を作るためには相当の技術と経験が必要なのだと思い知らされた。
また、刺繍を勉強していく中で「インドの刺繍は他国では見られない非常に独特なスタイル」であることを学んだ。
古くから近隣諸国による侵略を受け、いくつもの王国が存在したインド。外国の文化と融合して独自の刺繍文化が形成されたのであろう。
刺繍を学び始めたことでインド刺繍への愛はさらに高まり、今にいたる。
カシミール刺繍への興味
前述の通り、私は旅先でご当地手工芸品(インド刺繍を含む)を購入することが多い。もちろんネットでも購入できるのだが、現地ではバリエーションが桁違いだし、職人さんが作った『本物』を自分の目で見たいという気持ちが強い。近くに工房があれば見学できる場合もあるし、現地の人々がその工芸品を着用・使用している様子を遭遇することだってできるしね!
インド旅行でこれまでにインド国内70~80か所は訪れたが(詳細はコチラ)、未踏の地の一つがカシミールだ。
カシミール地方はインド北部の山岳地帯で、ヒマラヤの景色、緑広がる牧草地、ムガル帝国時代の建造物など、「Paradise on Earth(地上の楽園)」と称される非常に美しい場所である。ボリウッド映画の撮影にもよく使われている。
インド独立前はジャンムー・カシミール藩王国に属した。藩王国とはイギリス植民地下において自治権を認められたイギリス保護下の王国で、インド独立前は500を超える藩王国が存在したとされる。1947年8月のインド・パキスタン分離独立時に各藩王はインド・パキスタンどちらかへの帰属を求められたのだが、同藩王国は藩王がヒンドゥー教徒なのに対し住民の大半はムスリムであったことから藩王は帰属を決断できずにおり、インド独立後も「どちらにも帰属しない状態」でいたところパキスタンから武力攻撃を受け、カシミールをインドに帰属させたいインド側は同藩王国のインド帰属と交換条件にカシミール地方に軍隊を派遣し戦争へと発展。今も領土問題は解決していない。
何年も前からカシミールに旅行したいと思っているのだが、これまで西インドのムンバイに住んでいたので遠かった&2019年には領土問題からテロが起きるなど治安面での不安がありなかなかタイミングが合わず…。今は北インドのデリー近郊に住んでおり距離的にはかなり近くなった。カシミールの情勢も落ち着いていることから、今年こそは絶対に訪れたい!
カシミールを訪れたい理由の一つが「カシミール刺繍」だ。カシミールはもともとパシュミナが有名であり、ムーガル帝国時代に王族たちはカシミールのパシュミナを愛した。そのパシュミナに繊細で美しい刺繍が施されるようになり、カシミールの刺繍文化が発展したと言われている。
カシミール刺繍の色・デザインは、「地上の楽園」と呼ばれるカシミールの美しい自然をヒントにしていると言われており、草木や花をモチーフにしたものが多い。またムガル的なインド・ムスリムデザインもよく見られる。
カシミールへ旅行の際には、絶対にシュリーナガル(スリナガル)に訪れると決めている。なぜなら、シュリーナガルはカシミール刺繍の本場だからだ!職人さん達の現場が見れたら最高なんだけどなぁ。シュリーナガルでカシミール刺繍についての知見を広めたい。あぁ。早くカシミールに行きたい。
カシミール刺繍のウールラグと帆布バッグ
前置きが非常に長くなったが、本題はここからだ。
カシミール刺繍への思いを募らせているところ、なんとカシミール刺繍のウールラグとカバンを知人からいただいた。なんという偶然だ!!
ウールラグとバッグは台湾のTramperというブランドのもの。日本でも販売開始となるそうなので、いただいた商品の自慢(兼紹介)をする。
台湾向けサイト(tramper.tw)
※中国語(繁体)表記だけど、日本人ならなんとなく読める。
日本向け公式インスタ
※商品情報やお知らせなど。
CAMPFIRE(クラウドファンディング)
※日本では、現在クラファン形式で先行販売している。
ウールラグ
一つ目がウールラグ。代表的なカシミール刺繍のひとつ、アーリ刺繍が施されたラグマットだ。
アーリ刺繍とは、アーリと呼ばれるかぎ針のような針を使用してチェーンステッチする刺繍のこと。
いくつかデザインがある中で、個人的にもっともカシミール的なデザインだと感じたものをいただいた。(ペルシャ感もあり、ムガル感もあり、カシミール感もあるような気がする)
▼ラグのデザイン
▼他にはこんなデザインがある。
私のデザインは【C】だが、上の写真とはだいぶ色が違うように見える。これは私の自宅の照明が暖色であることが大きく影響しているが、それ以外にも理由がある。刺繍に使われている羊毛(ウール)の糸は植物染料で染められ、数日間太陽光と自然の風にさらされる。これにより同じ色のない独特な色合いとなるそうだ。世界で一つだけの色合いって素敵よね。
刺繍部分を近くで見るとこんな感じ。目の揃ったチェーンステッチが一面にビッシリと詰まっており、ウール糸の温もりが感じられる。
▼刺繍部分
裏面はコットン。「Tramper」のタグがついている。フリンジが自然な風合いを出していて良いね~。
▼ラグ裏面
サイズは90㎝✖150㎝。大きすぎず小さすぎずでちょうどよい。ソファーの前に敷いたらピッタリだった。ベッド横なんかにもよさそうだ。
▼ラグのサイズ感
帆布バッグ
続いて帆布バッグ。キャンバス素材の布地にアーリ刺繍で幾何学模様が施されており、伝統的な手法で現代的なデザインの刺繍が施されているというスタイル。
▼バッグのデザイン
▼キャンバスの色はネイビーとベージュの2種類、刺繍パターンは4種類ある。
私は、こういう伝統✖現代の組み合わせは大好物である。全てがあまりにも伝統的すぎると、ガイコクジンの私にとっては身に付けることに少し抵抗があるというか何というか。現代風にアレンジされることでその抵抗が全くなくなり、日常生活にインドの伝統を気軽に取り入れることができる点が魅力だと思う。
刺繍はキャンバス地に直接施されているのではなく、別の布に刺繍したものがキャンバス地と合体している作り。
▼刺繍部分
裏側にはブランドのタグ付き。
▼バッグ裏側
ショルダー紐が取り付けられるようになっており、手提げかばんとしてだけでなく、斜め掛け、肩掛けもできる2Wayスタイル。
▼ショルダーバッグとしても使えるので便利。
サイズは縦20㎝✖横24㎝✖マチ8㎝。小ぶりで可愛く、マチがあるので収納能力は高い。私は主にショルダー部分を装着し斜め掛けして使用している。
▼手提げで持つ場合
▼肘にかけて持つ場合
▼肩にかける/斜め掛けする場合
バッグの中にはインドのポストカードが何枚も入っていた。創設者の方が現地で撮影したものだろうか?インドの犬カワイイ、、、
Tramper社が行うインドの女性支援について
(出典:CAMPFIRE)
Tramper社のカシミール刺繍商品は、カシミールの女性職人たちによって作られているそうで、女性職人たちには現地給与水準の25%増しの給与が支払われるという。また、基金を設立して女性のマイクロクレジットや女の子たちへの教育奨学金に使用しているそうだ。
(私はカシミールの刺繍職人は男性ばかりだと思っていた。カシミール刺繍に限らず、インドのこういう職人技は男性のお仕事というイメージがある。気になったので調べてみると、超緻密なスザニ刺繍はやはり男性職人が多いようだが、アーリ刺繍はスザニ刺繍に比べると比較的習得しやすいということで女性職人もいるとのこと。)
インドではまだまだ女性の社会的地位は低い。私も「女性」というだけで舐められることがこれまでに何度もあった。大都市に住んでいる外国人の女性の私ですらそう感じることがあるのだから、地方部に住んでいるインド人の女性が感じるそれは私の比ではないことは言わずもがな。 カシミール刺繍の商品を天然素材を使用して手作りしているだけでなく、こうした女性支援も行っているというのは、インドに住む一人の女性として応援したくなるのであります。
さいごに
伝統的なカシミール刺繍を、こうやって日常で気軽に使えるのがとても嬉しい。カシミール刺繍のある暮らし、ええなぁ…
カシミールへのあこがれが増し、カシミールへ旅行するのがこれまで以上に楽しみになった!!
最後までお読みいただき有難うございました♪