ナマステ、インド在住のKome(@chankomeppy)です。
海外のATMは色々と問題を聞くことが多い。
例えばカードが吸い込まれて出てこなくなったとか。これは昔アメリカでなりかけたことがあるので、今でもそのタイプのATMを利用するときはドキドキする。
私が住むインドのATMはこのような問題が起きない作りのATMが一般的。
代わりに、「ATMからお金が出てこなかったにも関わらず、お金は引き出されたとみなされて、口座残高が減ってしまう事件(以下、ATM事件)」はそれなりに起きやすい模様。
こればっかりは完全に運だけど、遭遇したくないと思っていた・・・が、インド在住3年目の冬に遭遇してしまった。
過去にATM事件に遭遇した方に「数日で無事お金は戻ってきたよ」と聞いていたので焦ることはなかったのだが、面倒くさそうすぎて・・・。
当時、「インド ATM 現金出てこない」とか、「インド ATM エラー」でググったものの、日本語の記事は当然見つからず自力で粘って解決したのだが、同じような事件に直面してしまった方の参考になればいいな、と思う。
インドの銀行口座を持っている人は誰でも、ATM事件に直面する可能性がある。いつかATMからお金が出てこなかったときに焦らないためにも、読んどいて損なしだと思います😂
▼目次はこちら (クリックして表示)
はじめに
わたしはインドのメガバンクのひとつ、ICICI銀行に口座を持っている。
海外キャッシングではなく、インドの銀行のATMカードを使って、インドのATMでお金を引き出そうとした時に発生したトラブル。
というわけで、日本のカード利用者にはあまり役に立たない内容であるが、インドの銀行(特にICICI銀行)のユーザーには大いに役に立つ内容だと思う。
一連の流れ
①事件発生
2018年12月7日金曜日。飲み会の前にお金を引き出そうと思い、オフィスの近くにあるシティバンクのATMへ。
1万ルピーを引き出そうと、いつも通りATMを操作。暗証番号と金額を入力して、現金がでてくるのを待つが謎のエラー発生。
現金が出てこないまま、初期画面に戻ってしまった。
インドの銀行に口座を持っている方はご存知だと思うが、インドではATMから現金を引き出した直後に「〇〇ルピー引き出しました。残高は〇〇ルピーです」という通知がSMSで届く。
特にSMSで通知も届いていなかったので安心し、再度ATMを操作し、1万ルピーを引き出す。
SMSも届いてないようだし、ATM事件ではなくただのエラーだったみたい。よかった~!
飲み会の会場にタクシーで向かっているとき、ICICI銀行からSMSが2通届いた。
From:
ICICI BANK
1万ルピー引き出しました。
残高は10万ルピーです。
19:00
1万ルピー引き出しました。
残高は9万ルピーです。
19:01
(※残高は適当です。)
オーマイガーッ!
SMSは届いてないし大丈夫!と思っていたら、時間差で届きやがった。くぅぅうううう~!完全に油断していた。
飲み会の会場まで30分くらい。会場に着くまでにカスタマーサポートに電話して対応してもらうことにした。
「お金引き出されました」の通知が時間差で届いたので、すぐにATM事件に気づくことができなかった。
②カスタマーサポートに電話(その1)
まず、ICICI銀行のカスタマーサポート(電話番号:1860-120-7777)に電話。
が、簡単にはいかない。
担当者と話す」にたどり着くまで数ステップあり、分かりづらい。
- 言語を選択(英語・ヒンディー語・現地語(マラティー語))
- メニューを選択(カード紛失した、不正利用報告、その他)
- その他を選択すると、口座番号を入力するように求められる
- 口座番号を入力すると、頼んでもいないのに音声メッセージで口座残高が伝えられる
- 5秒くらいの沈黙の後、次のメニューが案内される
- メニューの一番最後に「担当者と話す」というオプションがあるので選択
- なかなか担当者につながらず、5分~10分程度待たなければいけない
- 「Our customer representatives are currently busy for another call. Please hold on. (自動アナウンス:担当者は別の電話に対応しております。このままお待ちください。)」が延々とリピート。
- ようやく担当者に繋がっても、「違う部署なので転送しますね!」と謎の部署にたらい回しにされる
- 「このまま保留にしてて下さい」と言われたのに向こうから電話を切られる
- ①~⑩の繰り返し
⑤の沈黙がやっかいで、「え?あれ?終わっちゃった?」と思い込み、一度電話を切ってしまった。そういう戦略なんじゃないだろうか…。
また、①〜⑩の繰り返しの途中、誤って「不正利用された」とクレームしてしまい、不正利用担当者から電話がかかってきてしまう事故も発生。
担当者とようやく話せたと思っても、「担当部署に転送しますからお待ちください。」と言われたまま向こうから電話を切られたりする始末。
4~5回トライしたものの、結局担当者ときちんと話せないうちに飲み会の会場についてしまったので、翌日に再トライすることに。
カスタマーサポートですぐに担当者と話せないし、担当者につながっても、担当者のレベルが低くて使えない。
③カスタマーサポートに電話(その2)
翌日、カスタマーサポートに再度電話することに。前日に失敗したおかげでスムーズに①~⑩をこなし、無事担当者と話すところまでたどり着いた。
この時対応してくれたお姉さんは、手慣れた感じだ。やはり、ATMからお金が出てこなくて電話してくる人が多いのだろうか。
「どこのATMですか?」
「金額はいくらですか?」
10分程度で、サービスリクエスト番号をもらうことができた。
これは「あなたのクレームはちゃんと承りましたから少々お待ちくださいね」と、きちんとリクエストを受けつけたことを証明する番号だ。
ちゃんと知識と経験があるカスタマーサポート担当者に運良く繋がらないと、スムーズに対応してもらえないようだ。質のムラが激しく、まさにインドクオリティ―と言える。
無事、SMSも届いたので、あとは待つのみ。7営業日以内で対応とのことなので、これは早々に解決の予感?
経験豊富でデキる担当者は仕事がスムーズ。
2018年12月8日(土)にリクエスト受付
(7営業日)
12月18日(火)までにはお金が戻ってくるぞ!
④7営業日以内に解決しなかった
5営業日目の時点で、本当に7営業日以内にお金が戻ってくるのか大変疑わしく、再度カスタマーサポートに確認の電話をしたのだが、ちゃんと対応しますとのことでそわそわしながら迎えた7営業日目の朝。
こんなSMSが届いていた。
まじ、なんなん・・・
念のためICICI銀行の店頭にも行き確認してもらっただが、回答は同じ。
7営業日以内にお金は戻ってこなかったものの、一応ちゃんと対応はされてるのでなんか悔しい。
まだシティバンクがエラーについて承認していないということだが、自社内でも部署が違えばうまく連携できないような人たちが、他社を巻き込んでスムーズに対応するだなんて無理な話なのだろうか。
これが「他行」ではなく「自行」のATMだったら、ここでクローズしていたんだろうが、他行のシティバンクを巻き込んでいるもんだから、まだまだ時間がかかりそうだし、この時点で終わりが見えなくなってきた。
「3営業以内にまた連絡しますの無限ループ∞」を恐れ始める。
対応にさらに時間がかかるとのこと。
2018年12月18日(火)に対応期間延長の通知
(3営業日)
12月21日(金)までには次の連絡が来るぞ!
⑤21営業日待たされることになった
3営業日以内にご連絡しますと通知がきた翌日、1通のSMSが届いた。
3営業以内にまた連絡しますの無限ループ∞を恐れていたが、一気に21営業日までとんでしまい、非常に不安。
しかも、Second level claim(2段階目のクレーム)って、良い方に進んだのか、悪い方に進んだのかよくわからん・・・。
少なくとも、この時点で分かっていたことは、まだまだ時間がかかるということだ。
さらにズルズルと延長。
2018年12月19日(水)に対応期間延長の通知
(21営業日)
1月18日(金)までには次の連絡が来るぞ!
⑥14営業日待たされることになった
年も明けた2019年1月7日(月)、前回の連絡から12営業日目、1通のSMSが届いた。
ATM事件が発生してからまるまる1か月たって、何も進んでいない。
うちの銀行は対応してるけど
他行が全然進めてくれないから対応できんのよ!
ということをアピールする内容のSMSを受信したが、もしこれが本当ならシティバンクが使えないということになる。
しかも、「ATM dispute(ATM論争)」って。別に私は「金返せやごるあ!」だなんて一言もいってないし、「エラーでお金が出てこなかったので返してください」とクレームしているだけである。
やはり、無限ループフラグが立っているので、シティーバンク(私が現金を引き出そうとして失敗したATMの銀行)に連絡してみたほうがいいのだろうか。ATMの監視カメラを確認してもらえれば、私がお金を引き出せなかったことは証明できるはず。
さらにさらにズルズルと延長。
2019年1月7日(月)に対応期間延長の通知
(14営業日)
1月25日(金)までには次の連絡が来るぞ!
⑦口座にお金を戻せませんとの連絡
1月11日(金)のお昼、ランチをしていると、1通のSMSが届いた。
うえ~~~ん!!!!
これはひどすぎる。SMSを受信してすぐに、カスタマーサポートに連絡するも、シティバンクに問い合わせてみてくださいとのこと。なんでも他行のせいにしやがって。
というか、私ではなく、なんであなたたちからシティバンクに問い合わせないの?という話。まじで。
絶対に1万ルピー取り戻す!
お金を戻すことはできないとの連絡
1月11日(金)
ーー強制的にクローズされるーー
絶対に取り戻すぞ!
⑧他行(シティバンク)に連絡
このまま放置するわけにもいかないので、早速シティバンクのカスタマーサポートに電話し、ATMの監視カメラを確認してもらえないかお願いをしてみる。
あの~わたしICICI銀行に口座を持っているんですけれど、おたくのATMでお金を引き出そうとしましてね。
そしたらお金が出てこなかったんですよ。にも関わらず口座残高は減っちゃっていて、ははは・・。
ICICI銀行にその件クレームしてたんですが、お金はちゃんと引き出されてますよとか言われちゃって困ってるんです。
ATMの監視カメラを確認してもらうことってできますかね?
すると、「おたくの銀行を通じてリクエストしてください。」って。
最初そうしたんですけどね・・・。
「エラーはよくあることなので心配しないで」と謎に励まされるも、私はそれで困っているのだ。よくあることだと困るのだ。
ここで感じたのが、シティバンクのカスタマーサポート担当者は、ICICI銀行と比較して対応がよかった。
私がICICI銀行に再びクレームしやすいように、いま話した内容をメールで送るから、そのメールをもとにICICI銀行にメールしてみなさい。とのこと。
自行の顧客でもなんでもない私に、なんて優しいんだ。
これが外資系銀行ってやつなのか。普段からインド在住のアメリカ人をはじめとした外国人や、インド人富裕層を顧客としているだけあり、ICICI銀行のカスタマーサポートとは大違いだ。
ICICI銀行は、さんざん「他行のせいで」とシティバンクが対応しないからぼくらも進められないんですよ~とアピールしていたが、シティバンクではなくICICI銀行が悪かったんじゃないの・・・と思う。多分そうだ、うん。クソだな…ICICI銀行…。
シティバンクは他行の顧客にも対応がよく好感。
⑨ICICI銀行に再度クレーム
ICICI銀行のカスタマーサポートはもう信用できないので、苦情申し立てフォームから連絡。
Submit a Complaint - ICICI Bank
LEVEL1、LEVEL2、LEVEL3と3段階あるのだが、いきなりLEVEL3からクレーム。ここからクレームすると、偉い人に直接連絡することができるようだ。
まずは、メールで再度ATM事件について調べてもらうように依頼。新たなサービスリクエスト番号が割り振られ、3営業日後の1月21日(月)までに連絡をくれるとのこと。
1月21日(月)、調査をするのにまだ時間がかかるので1月30日まで待ってくださいという内容のメールを受信。
ここで、また不安になってきたので、偉い人あてに文書でクレーム。
インドにおいて、「直筆のサイン」が書かれた「紙」のレターはかなり有効なのだ。
偉い人にクレーム。
⑩ お金が戻ってきた!
1月29日(火)、事件発生から7週間と3日かかってお金が戻ってきた。
約1か月半!
一度「お金はちゃんと引き出されているので、お金は戻せません」と言っていた、つまり間違っていたにも関わらず、謝罪は一切なしだ。
お金は戻ってきたが、本当にむかむかする。いらいらする。
- なぜ1か月半もかかるのか?
- なぜ間違うのか
- 間違ったのになぜ謝らないのか
本当にひどい会社だ。インド最大手でこれだ。これからインドで銀行口座を開設する人は、迷わず外資系銀行一択だろう。
お金は戻ってきたが、ICICI銀行にStillイライラ。
ATM事件対策 ~ATM事件から学んだこと~
- できるだけ自分が口座を持っている銀行のATMを使う
- 最初から偉い人にクレームする
- 諦めない
- できるだけ現金を使わない
できるだけ自分が口座を持っている銀行のATMを使う
私のように他行のATMを利用した際にATM事件に遭遇してしまうと、「他行のせいで…」「他行のせいで…」と、他行を理由にして対応してくれない可能性が高い。
自行内で完結していれば、ここまで時間はかからなかったのかも。
インドの銀行が「他行と連携して問題を解決する」という技をスマートにこなせるとは考えにくい。
最初から偉い人にクレームする
今回の私の例から、「カスタマーサポートは全然使いモノにならない」ということがわかったので、最初から偉い人にクレームすれば、多少はスムーズに進むのでは。
外資系銀行なら、カスタマーサポートの対応も良さそうだが、インドの銀行の場合は本当に使えない…。悲しいね。
諦めない
最重要!
1万ルピーは1万6千円くらい(当時)である。
面倒になって「はは、これがインドだよね、ははははは…勉強代…ははははは…」と諦めそうになってしまう、絶妙な金額だ。
しかし諦めてはいけない。私も一度「お金は戻せません」と言われたが、何とかお金を取り戻すことができた。
できるだけ現金を使わない
現金を使うからATMからお金を引き出さなくてはいけないのだ。
もうこの際、現金を使わない生活をすれば、ATMを利用する頻度が減少し、ATM事件に遭遇する可能性も低下する。
わたしはここ最近は、1か月に1度、ICICI銀行のATMから必要最低限の現金をおろすだけで済むようになった。
インドは、電子マネーが非常に発展している。世界的にみても中国の次くらいのポジション?かなり発展している方ではないだろうか。少なくとも、日本よりは発展しているよね。
インド在住の日本人はニコニコ現金主義者がいまだに多い(特に年齢層がお高めの方たち)。飲み会の清算は99%の確率で現金なので、現金が必要になるのはだいたい飲み会のとき。
いまはPaytmやGoogle Payでスマホから即座に送金できるので、インド人のようにキャッシュレスな生活を送りたいものだ。
さいごに
この手の事件に遭遇していつも思うのは、
「インドは英語が公用語でよかった」
ということ。
英語で情報収集でき、英語で対応してもらえるのはとてもありがたい。東南アジアや中南米だともっと大変そうな気がする(知らんけど)。
時間はかかるし、面倒だし、ムカムカ・イライラしてしまうのは否めないが、お金は戻ってくるので、もし同じような状況になってしまった方は諦めないで頑張ってください。
追記(2020年2月15日):同じATMで再びエラー勃発
【2020年2月15日追記】
先日、ATM事件が勃発した例のシティバンクのATMで現金を引き出そうとしたところ、失敗した。現金がいつまでたっても出てこず、エラーですと表示されてTOP画面に戻ってしまった。
後ろに並んでいる人もいたので、一度ATMから離れ、一応状況を伝えておく。
ATMの調子が悪いみたいで、エラーで現金引き出せなかったんですよ。
あらまぁ。
後ろの女性はそう言いつつも、ATMを使うようだ(まじか)。
SMSを確認すると、
お客様の口座XXXより6000ルピーが引き落とされました。問題がある場合はこちらの番号に電話してください。
問題だらけだよ!!!!!
またお金を取り戻すのに1か月くらいかかるのか…
蘇るATM事件のキオク。
早速ICICI銀行のカスタマーサポートに電話するも、なかなか担当者につながらない… すでにカスタマーサポートに電話するの段階でつまづいてしまっている模様…チクショー!!!!
と思ってふとATMを使っている女性を見ると、その女性もエラーに遭遇していた。「ただいま処理中です。しばらくお待ちください」のメッセージ画面から先に進まず、現金が出てこないという。ちゃんと「調子悪いみたいですよ」って教えてあげたのに…。
ほんとイヤになっちゃいますよね~
ほんと困ったわねぇ。
と謎の仲間意識で盛り上がる。
その時、1通のSMSが届いた。
お客様の口座XXXに6000ルピーが入金されました。
よっしゃ~!おねぇさん、わたし解決しましたわ。口座にお金クレジットされました。よかった~。
ンゴゴゴゴゴ・・・
あら、私の方も現金が出てきたわ!
無事解決。
にしても、謎なのがSMSを受信した時間。
「6000ルピー引き出されました~」というSMSを受信したのが18:23。
「6000ルピー入金されました~」というSMSをを受信したのが18:21。
実際には引き出し連絡が先、入金連絡は後にきているが、SMS上で前後逆。これもまたシステムエラーなのだろうか。
とりあえず、ICICI銀行と長期戦をしなくて済んだのでヨカッタ。
このシティバンクのATMは本当に危険。もう絶対に使わないわ。